2015年19歳以下女子日本代表・第8回練習会レポート
2015/06/07
2015年度19歳以下女子日本代表(以下、U19)は、5月9日(土)に東京都(品川区)・大井ふ頭中央海浜公園第二球技場にて、10日(日)に千葉県(千葉市)・フクダ電子フィールドにて練習会を行った。
第8回の練習会初日では、チームの課題である、「クリア」と「グラウンドボール」の強化のため、2チームに分かれてフルコートでの攻守の切り替えを徹底的に行った。
「クリア」は、相手のライドのプレッシャーにより、近い距離にいるノンボールキャリア(以下、NBC)へのパスが出せず、ボールキャリア(以下、BC)は選択肢を失い、距離の遠い選手へのパスを選択してしまうことが続き、結果的にボールを失うケースが多かった。これは、先ず、自分自身とチームメイト一人一人のパスレンジ(※1)の違いを理解出来ていないこと。また、NBCである個々がそれぞれのマークマンと勝負していないことが原因であった。よって、それを改善することで、相手より速く、その安定供給ができる距離間にいかに多くの選択肢(※2)をつくり出せるかを意識した。
※1 「パスレンジ」:正確に安定してパスを供給できる距離
※2 「選択肢」:より早くゴールまでボールを運べる状態での選択肢
また、「グラウンドボール」については、予測と反応は速くなったが、ボールを拾うために混戦で足を止める行為や、ボールを一刻も早く拾いたいという心理がボールを身体のできるだけ遠くで拾うという行為に繋がり、結果的にスティックが身体から離れることで相手にボールを奪われることが多かった。よって、ボールをすくう位置や体勢やスティックの状態等を細かく確認し改善することを意識した。
2日目は、昨年度、東日本クラブチーム1位のCHEL並びに関東ユース選抜と国際ルール適用のスクリメッジを行った。
CHEL戦は、前半4-6で折り返し後半の巻き返しを図るが、課題としていた「クリア」で、クラブチームのプレッシャーが前日のチーム内でのプレッシャーより強く、改善出来ないまま、後半2-6と突き放され、結果的に6-12で敗れた。今後、前日の練習の内容を再度確認し、見直しを実施することで、自チームより強い相手に対しても効果的なクリアの強化に努めることとする。しかし、「グラウンドボール」は、クラブチーム相手でも勝率は上がってきており、自信に繋げることができた。
続く、関東ユース選抜戦は、同世代対決。今回のU19メンバーの選考条件は、2015年8月時点で19歳以下であること。関東ユース選抜には、年齢制限で対象外となった優秀な選手や、過去のU19の練習会に参加し、その後自らの力で大きな成長を遂げた素晴らしい選手が多くいるため、現U19メンバーは、この3か月間での成長を試すいい機会となった。
試合は、今回の代表活動のコンセプトである、試合中に起こり得る「一瞬一瞬」の勝利に強くこだわり、また、試合の流れが悪い状況では、フィールド内にいる選手やベンチの選手たちがその「一瞬一瞬」に勝つために声を掛け合い、流れを変えようとしていた姿は、この代表活動で大きく成長を感じられた瞬間でもあった。試合は10-5で勝利した。
[上段:CHEL戦/下段:関東ユース選抜戦]
試合後のミーティングでは敷浪アシスタントコーチから、「攻める時も守る時もコーチ陣が示した戦術通りに動くだけでは、試合中に通用しなかった時に煮詰まってしまうため、選手一人一人がラクロスの引き出しを沢山持ち、どんな場面にも対応出来る準備を普段から行う努力が必要である」という指摘があった。
選手としてワールドカップに出場経験のある柴田アシスタントコーチは、自身が過去に経験している世界大会の話を交えながら、「次回の練習会まで3週間という長い期間が空くが、その間も自チームで成長し続けて欲しい」と話した。また、ラクロスの技術だけではなく身体や道具のケア方法についても触れ、本大会での連戦を乗り越えるために、日常からすべきことを伝えた。
最後に、永島ヘッドコーチから、「次回の合宿(5月30日・31日)で本大会出場の18名を選出する」という言葉が発せられた瞬間、選手の顔が引き締まった。
[左:ミーティング後に説明をするコーチ陣 / 右:19歳以下女子日本代表の選手たち]
たった、3か月程で、ここまで成長した選手たちだが、残り4回の練習会で、ここにいる19歳以下の選手たちが世界で戦えるチームになる為には、今までは無かった、選手同士やコーチと選手間での、良いことや逆に改善して欲しいことをお互い強く言い合えることが必要不可欠であり、それが出来る勇気・環境とそれを受け入れて感謝できる気持ちが個々やチームの成長に繋がり、それがこのチームを強くすると確信した。
本大会まで残り僅かですが、応援をよろしくお願い致します。
Text:2015年度19歳以下女子日本代表マネージャー・渡辺優
Photo:2015年度19歳以下女子日本代表チームスタッフ
第8回の練習会初日では、チームの課題である、「クリア」と「グラウンドボール」の強化のため、2チームに分かれてフルコートでの攻守の切り替えを徹底的に行った。
「クリア」は、相手のライドのプレッシャーにより、近い距離にいるノンボールキャリア(以下、NBC)へのパスが出せず、ボールキャリア(以下、BC)は選択肢を失い、距離の遠い選手へのパスを選択してしまうことが続き、結果的にボールを失うケースが多かった。これは、先ず、自分自身とチームメイト一人一人のパスレンジ(※1)の違いを理解出来ていないこと。また、NBCである個々がそれぞれのマークマンと勝負していないことが原因であった。よって、それを改善することで、相手より速く、その安定供給ができる距離間にいかに多くの選択肢(※2)をつくり出せるかを意識した。
※1 「パスレンジ」:正確に安定してパスを供給できる距離
※2 「選択肢」:より早くゴールまでボールを運べる状態での選択肢
また、「グラウンドボール」については、予測と反応は速くなったが、ボールを拾うために混戦で足を止める行為や、ボールを一刻も早く拾いたいという心理がボールを身体のできるだけ遠くで拾うという行為に繋がり、結果的にスティックが身体から離れることで相手にボールを奪われることが多かった。よって、ボールをすくう位置や体勢やスティックの状態等を細かく確認し改善することを意識した。
2日目は、昨年度、東日本クラブチーム1位のCHEL並びに関東ユース選抜と国際ルール適用のスクリメッジを行った。
CHEL戦は、前半4-6で折り返し後半の巻き返しを図るが、課題としていた「クリア」で、クラブチームのプレッシャーが前日のチーム内でのプレッシャーより強く、改善出来ないまま、後半2-6と突き放され、結果的に6-12で敗れた。今後、前日の練習の内容を再度確認し、見直しを実施することで、自チームより強い相手に対しても効果的なクリアの強化に努めることとする。しかし、「グラウンドボール」は、クラブチーム相手でも勝率は上がってきており、自信に繋げることができた。
続く、関東ユース選抜戦は、同世代対決。今回のU19メンバーの選考条件は、2015年8月時点で19歳以下であること。関東ユース選抜には、年齢制限で対象外となった優秀な選手や、過去のU19の練習会に参加し、その後自らの力で大きな成長を遂げた素晴らしい選手が多くいるため、現U19メンバーは、この3か月間での成長を試すいい機会となった。
試合は、今回の代表活動のコンセプトである、試合中に起こり得る「一瞬一瞬」の勝利に強くこだわり、また、試合の流れが悪い状況では、フィールド内にいる選手やベンチの選手たちがその「一瞬一瞬」に勝つために声を掛け合い、流れを変えようとしていた姿は、この代表活動で大きく成長を感じられた瞬間でもあった。試合は10-5で勝利した。
[上段:CHEL戦/下段:関東ユース選抜戦]
試合後のミーティングでは敷浪アシスタントコーチから、「攻める時も守る時もコーチ陣が示した戦術通りに動くだけでは、試合中に通用しなかった時に煮詰まってしまうため、選手一人一人がラクロスの引き出しを沢山持ち、どんな場面にも対応出来る準備を普段から行う努力が必要である」という指摘があった。
選手としてワールドカップに出場経験のある柴田アシスタントコーチは、自身が過去に経験している世界大会の話を交えながら、「次回の練習会まで3週間という長い期間が空くが、その間も自チームで成長し続けて欲しい」と話した。また、ラクロスの技術だけではなく身体や道具のケア方法についても触れ、本大会での連戦を乗り越えるために、日常からすべきことを伝えた。
最後に、永島ヘッドコーチから、「次回の合宿(5月30日・31日)で本大会出場の18名を選出する」という言葉が発せられた瞬間、選手の顔が引き締まった。
[左:ミーティング後に説明をするコーチ陣 / 右:19歳以下女子日本代表の選手たち]
たった、3か月程で、ここまで成長した選手たちだが、残り4回の練習会で、ここにいる19歳以下の選手たちが世界で戦えるチームになる為には、今までは無かった、選手同士やコーチと選手間での、良いことや逆に改善して欲しいことをお互い強く言い合えることが必要不可欠であり、それが出来る勇気・環境とそれを受け入れて感謝できる気持ちが個々やチームの成長に繋がり、それがこのチームを強くすると確信した。
本大会まで残り僅かですが、応援をよろしくお願い致します。
Text:2015年度19歳以下女子日本代表マネージャー・渡辺優
Photo:2015年度19歳以下女子日本代表チームスタッフ
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