2011年U19女子日本代表・第15回活動レポート(2011年7月23日~24日)

2011/07/27

19歳以下女子日本代表(以下、U19女子日本代表)の国内最終練習が、7月23日(土)に駒沢オリンピック公園第一球技場で、24日(日)に大井ふ頭中央海浜公園陸上競技場にて行われました。

【2011年7月23日(土)】

23日はクラブチームのCHELとスクリメッジが行われました。

試合風景1試合風景2

スコア  (試合形式:前後半・30分、国際ルール)
チーム 前半 後半 合計
U19女子日本代表 4 6 10
CHEL 7 2 9
得点者
U19女子
#20 剱持 真衣 (4)
#7 鈴木 由真 (2)
#4 稗田 早織 (1)
#14 小西 那奈 (1)
#19 横田 美鈴 (1)
#23 出原 由佳子 (1)

【2011年7月24日(日)】

練習風景スタッフ陣
(写真左:男性スタッフ達が、仮想・外国人となって練習を行う/写真右:サポートに入った強化部・助川淳氏[左端])

24日は練習前に、先日行われた第5回APLUアジアパシフィック(ASPAC)選手権大会の決勝戦
「22歳以下女子日本代表 vs 23歳以下女子オーストラリア代表」のビデオを見てミーティングが行われ、
外国人の身体の強さ・大きさと、それにどう対応していくかを確認しました。

練習は、男性である井川裕之ヘッドコーチ、強化部スタッフの助川淳氏(2009年度22歳以下女子日本代表ヘッドコーチ)を
外国人として想定し、身体の大きさ、スピードの早さを実際に感じる中でも精度の高いプレイが出来るように、
クリア・ライドを中心に行われました。


国内最終練習を終えて、今の気持ち、世界大会に向ける意気込みを、一部の選手たちとコーチ陣に聞きました。

    ■ 世界大会に出場する選手18名のリストはこちらから 

#1 押村朋香
(G)
押村朋香選手 「ラクロスにかける気持ちが強くて技術の高い選手と一緒に活動できたことで、自分の世界が広がり、責任感が芽生えた。
ゴーリーとして、チームの雰囲気・流れに応じた指示出しやプレイをして、挑戦者として世界大会に挑みたい」
#2 新井里奈
(G)
新井里奈選手 「U19女子日本代表は大学と違い、同じ年齢・立場の選手が集まっているので、受け身ではなく自分から発信するようになった。
外国チームは日本人とはボールスピードもシュートを撃ってくるポイントも違ってくると思うが、それに恐れることなく、逆に外国選手に『このゴーリーには撃ちたくない』と思わせるようなプレイをしたい」
#5 中沢花観
(DF)
中沢花観選手 「1月からここまであっという間だった。活動当初は自分のプレイについてしか考えられていなかったが、今では、チームのこと、チームの中で自分は何が出来るか、を考えられるようになった。
外国チームとの試合は、今年、関東ユース選抜として、南オーストラリア代表と試合をしたが、世界大会では国の代表との対戦となるので、州代表と国の代表の違いを感じられるのが楽しみ」
#6 榎本安澄
(DF)
榎本安澄選手 「活動当初は自信を持てなかったが、コーチと話をしていく中で、段々と自信や日本代表としての自覚を持ってプレイ出来るようになった。
ディフェンスからオフェンスのつなぎの部分は特に自信を持ってプレイしたい」
#8 大森すみれ
(AT)
大森すみれ選手 「これまでと違い今では、全てのプレイに意味があることが分かり、プレイ一つ一つについて考えるようになった。
自分のスピードを活かして、ボールにたくさん絡んでいきたい」
#9 石井麻衣
(AT)
石井麻衣選手 「チームも自分も非常にいい状態に仕上がっていると思う。
アタックとして得点を決めるのはもちろんだが、自分の武器はアシストだと思うので、世界大会でもたくさんアシストを決めたい」
#19 横田美鈴
(DF)
横田美鈴選手 「ボールマンに対して詰めていく強さは外国人選手にも負けていないと思う。クリアの時の詰めがチームとして甘い時があるので、大会が始まるまでに仕上げたい。
『エースキラー』として外国の強い選手と戦うことがとても楽しみ」
#20 剣持真衣
(MF)
剣持真衣選手 「CHELとの試合では、シュートにこだわり、撃つタイミングやコースを色々と試すことが出来て良かった。
グラウンドボールへの寄り、ファーストタッチにも意識して、世界大会では自分の力を出し切りたい」
#21 白城栄里子
(MF)
白城栄里子選手 「勝てそうで勝てない試合が続いてきたが、CHELとの試合で最後勝ち切れたことが大きな自信となった。
チームの中では若手なので、1対1からのブレークや、速攻でチャンスを作って、チームを盛り上げていきたい」
#24 小川絵里子
(MF/DF)
小川絵里子選手 「最初は受け身で自分のプレイのことしか考えられなかったが、今ではチームのことを考えて、自分でどうにかしようと思えるようになった。
外国のラクロス、強豪相手に自分がどれだけ通用するかワクワクしている。グラウンドボールを獲って、チームに勢いをつけていきたい」
#23 出原由佳子
(AT/MF・
キャプテン)
出原由佳子選手 「普段は違うチームでバラバラにラクロスをしており、特に活動当初はそれぞれライバルだった。
キャプテンとして、チームにすることを意識し、コミュニケーションを密にとって意思疎通を図ってきたこともあり、今ではチームとして戦うことが出来るようになった。
国内最終練習でCHEL戦に勝てたことで、さらにチームをいい状況に持っていっていると思う。
個人的にもこの活動に課題を持って取り組み、それを達成できたことが自信となっているので、いい流れで世界大会に挑むことが出来る」
宮沢明日香
アシスタント
コーチ
宮沢明日香アシスタントコーチ 「活動始動時の選手は、日本代表としての自覚も無く、対外国人という意識も無い、無知な状態だった。
2週間に1度しか活動の無い中では日々の過ごし方が重要になってくるので、選手一人一人で目標を設定させて、日々の過ごし方から意識を変えていった。
選手自身が目標を設定したことで、やらされているのではなく、自主的に、また自分の個性や強みにあった目標を設定することが出来、「どうやったらメダルを獲れるか」「日本人では通用するが、外国人には通用しない」などと考えられるようになってきた。
今ではフィールド外での考え方も変わってきており、日本代表としての自覚が芽生えてきて、成長を感じている。
世界大会でメダルを獲ることは目標だが、そこで終わりではなく、世界大会が終わった後もこの活動で培ったことをつなげていって欲しい。」
小堀朗子
アシスタント
コーチ
小堀朗子アシスタントコーチ 「外国チームはパス回しも早く、ついていくのは難しいとは思うが、撃たせて勝負するのではなく、撃たせる前にプレッシャーと細かいポジショニングでどうにか凌いでいくディフェンスを目標としている。
もちろん強豪相手に失点することは想定しているが、決められた後に反省しても仕方がないので、決められた後に『次はどうしていくか』という切り替えを大事にしていきたい。特にイングランド戦は落としたくない戦い。予選と順位決定戦で2度戦うことも予想されるので、予選できちんと相手の戦い方を知って、必ず勝ち切りたい」
井川裕之
ヘッドコーチ
井川裕之ヘッドコーチ 「選手一人一人のチーム戦術の理解度も高く、チームはいい状態に仕上がっている。世界大会が始まってからも外国選手と戦う中での成長も期待している。
U19女子日本代表の強みは、『ハードワーク』『ルーズボール』『フルコートでの得点』だと思っている。
特にルーズボールでは、周辺スペースの流れを読んでボールを獲得する戦略性を意識している。また、ボールを持っている選手の体の向きや姿勢の工夫により、プレイエリアを広げていくことを強化していった。
同時に、攻守ともに相手の体の向きや姿勢をこちらが操作していくことで、相手のプレーエリアを狭めていくことも行っている。
このような工夫は、『細かさ』という日本人の特性を生かしたものであり、日本を優位にさせるものだと考えている。

活動当初から、選手個人としての3B(ball control、body、brain)の強化を目指しており、特に『brain』の部分である人間性の成長も目指してきた。そのために、思考力の基礎のトレーニングも行ってきた。
また、『行動の管理と放任』、『プレー選択の拡散と収束』という形で、敢えて真逆の環境を両方経験させることで、『自ら』考え、『自ら』働きかけ、『自ら』成長しようとするようになり、個人としてもチームとしても大きな成長を遂げたと感じている。

『世界のラクロス』という言葉を耳にすることがあるが、それは存在しない。それぞれの国が各々異なっていて、特徴的であり、日本もその特徴的な国の一つである。
つまり、『日本も世界』である。新たな世代が作り出す日本スタイルの進化を、世界大会の舞台で表現してきたい」
国内最終練習を良い状態で終えることが出来、選手達の表情も活動当初とは比べ物にならない程引き締まっていました。

世界大会初戦となるUSA戦は、日本時間で8月5日に日付が変わった直後の0時にドローとなります。
試合結果は随時ホームページでも掲載していきます。

また、Twitter(ツイッター)に皆さんが書かれた応援メッセージは、日本代表選手たちに届けます。
ぜひ、#laxjpnfan のハッシュタグをつけて応援メッセージをつぶやいてください。
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なでしこJAPANが優勝したサッカー女子ワールドカップと同じドイツで開催される
第5回FIL女子19歳以下世界選手権大会での日本チームの活躍を期待しましょう。
応援宜しくお願いします!


   ■ フォトギャラリー(U19女子日本代表)はこちらから


Text&Photo by:日本ラクロス協会広報部・頃安悠子
Photo by:2011年19歳以下女子日本代表マネージャーリーダー・會田好美