【日本ラクロスの四半世紀・第11回】 1995年・史上初の3連覇達成

2012/04/25

 1995年(平成7年)
3月 第1回トッププレイヤーズキャンプ開催(10~16日、茨城県神栖市)
4月 ラクロスフェスタ・パワーアシスト95開催(会場:仙台・関東・関西・名古屋)
新入生対象イベント「ラクロスフェア」と、「東西交流戦」を統一して実施した。
6月 第7回国際親善試合を開催(6月25日、東京・江戸川区陸上競技場/7月2日、愛知・瑞穂公園ラグビー場)
日本女子ラクロスの育ての親でもあるジャッキー・ピッツさんが率いるスターズ&ストライプスが来日した。
7月 国際親善試合を、初めて東海地区で開催した(7月2日、愛知・瑞穂公園ラグビー場)
男子戦は、アメリカンイーグルスに、東海地区男子選抜が善戦し、5-5の引き分けで終えた。
女子戦は、スターズ&ストライプスに東海地区女子選抜が挑み、東海選抜は1-33で敗戦した。
8月 第18回ユニバーシアード福岡大会にてラクロスのエキシビションマッチを開催。
男子戦は慶應義塾大と神戸大の対戦で、10-5で慶應義塾大学が勝利した。
女子戦は東京女子体育大と関西学院大の試合で、21-3で東京女子体育大学が勝利した。
第1回IFWLA女子19歳以下世界大会に参加(6日~12日、アメリカ・フィラデルフィア、参加7ヶ国)
初戦となったウェールズ戦を15-4で勝利した日本代表(※)は、予選リーグで2勝をあげ、予選5位となった後、順位決定戦でスコットランドに13-3で勝利し、総合5位となった。
 (※日本代表は、ラクロス歴2年以内の学生で構成されたチームで臨んだ)
この世界大会には、日本から派遣された小出淑子審判員、大塚紀代子審判員が、日本の女子審判員として初めて世界大会(年代別)の舞台で審判員を務めた。
北海道で初のラクロスイベントとなる、北海道ラクロスフェスタ'95が開催(20日、陸上自衛隊真駒駐屯地グラウンド)
男女合計3試合のゲームが行われた。
[男子]北海学園大・東北大による紅白戦
[女子]北海学園大 対 北海道大、藤女子大 対 静修女子大
10月 第1回北海道ラクロスリーグ戦開催(7日~11月5日)
女子戦のみが開催され、北海学園大学が優勝した。
[女子]北海学園大、静修女子大、北海道大、藤女子大、北星学園大
12月 第6回全日本選手権大会にて、慶應義塾大学(男子)が大会初の3連覇を達成。
(決勝戦:17日、東京・江戸川区陸上競技場)

 日本一の座をめぐる戦い
全日本選手権大会は6回目を数え、日本一の座をめぐる各チームの戦いは激しさを増してきた。

クラブチームは、1991年の全日本選手権初出場からの4年間で男女あわせて1勝に留まっていたが、この大会では出場した男女全4チームが1回戦を突破し、今後の台頭を予感させる結果となった。

東日本ラクロスクラブは、1回戦で関西学生リーグ2位の関西学院大を、延長戦となる激闘の末、9-8で下した。
ナニワラクロスクラブは、1回戦で関東学生リーグ2位の東海大に、15-5で勝利した。
WISTERIAは、1回戦で関西学生リーグ2位の甲南女子大を19-6で下し、準決勝戦は破れたものの、関東学生リーグ1位の東京女子体育大との試合は延長戦までもつれ、9-10と善戦を見せた。
神戸ラクロスクラブは、1回戦で関東学生リーグ2位の学習院大を5-3で下し、準決勝戦は関西学生リーグ戦1位の神戸松蔭女子学院大に8-9と善戦を見せた。

また、男子決勝戦では、慶應義塾大学が、男女を通じて大会初となる3連覇を達成した。
決勝戦で敗れた神戸大のコーチは、試合後「敗因は、試合前半の慶應ゴーリーのビッグセーブ、そして、全クウォーターを通して慶應の退場ファールなし、ということに尽きると思います」とのコメントを残した。

女子決勝戦は、過去5大会の全てが同一カードであったが(東京女子体育大 対 関西学院大)、初めて決勝戦の組合せが変わった。
この決勝戦では、東京女子体育大学が神戸松蔭女子学院大を下し、関西学院大学と並ぶ3回目の優勝を果たした。

男子決勝戦女子決勝戦
[左:3連覇を達成した慶應義塾大学 / 右:6大会目で初めて異なる組合せとなった女子決勝戦]


クラブチームの躍進1クラグチームの躍進2
[左:東日本ラクロスクラブ / 右:ナニワラクロスクラブ]

クラブチームの躍進3クラブチームの躍進2
[左:WISTERIA / 右:神戸ラクロスクラブ]

 世界の舞台で実績を積み上げる
初めて開催された女子19歳以下世界大会で、日本代表はスコットランド・ウェールズを下し、予選5位となり、5位・6位決定戦でも再びスコットランドを下し、総合5位となった。

国際親善試合では、東京会場の試合で、関東地区女子選抜がスターズ&ストライプスに14-8で勝利した(25日、江戸川区陸上競技場)。1988年のアメリカキャンプ、第1回フレッシュマンズキャンプから日本女子の強化・普及に協力頂いてきたジャッキーさんに、日本ラクロスの成長を示すことができた大会となった。

日本代表世界大会
[左:19歳以下女子日本代表 / 右:第1回女子19歳以下世界大会]

女子の派遣審判員日本人派遣審判員1
[左:この世界大会には、日本から2名の審判員が派遣された / 右:日本女子ラクロス育ての親・ジャッキー・ピッツさん]

 北海道でリーグ戦が開始され、全国各地区で開催されるラクロスイベント
北海道では、前年5月に北海学園大(女子)で本格的な活動が始まると、主に女子ラクロスが広まっていた。
そして、1995年に入ると北海学園大(男子)で7名の部員による活動が始まり、8月に、北海道で初めてのラクロスイベントとなる「ラクロスフェスタ」が開催されることとなった。
そして、10月には、第1回北海道リーグ戦を開催する運びとなった。

その他、東海地区で初めてとなる国際親善試合の開催や、九州地区でユニバーシアード大会エキシビションを実施するなど、全国各地区でラクロスイベントを開催するようになっていった。

北海道ラクロスフェスターポスター全国のラクロス状況
[左:北海道ラクロスフェスタのチラシ / 右:ユニバーシアード大会]

国際親善1クラブ西日本リーグ戦
[左右:東海地区で初めて開催された国際親善試合]

 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第1回IFWLA女子19歳以下世界大会 オーストラリア 総合5位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第7回ラクロス国際親善試合 AMERICAN EAGLES STARS & STRIPES
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第6回ラクロス全日本選手権大会 慶應義塾大学 東京女子体育大学
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第1回北海道ラクロスリーグ戦 (第2回大会からの実施) 北海学園大学
第2回東北ラクロスリーグ戦 東北大学 東北学院大学
第8回関東学生ラクロスリーグ戦 慶應義塾大学 東京女子体育大学
第4回東海学生ラクロスリーグ戦 愛知大学 愛知学院大学
第6回関西学生ラクロスリーグ戦 神戸大学 神戸松蔭女子学院大学
第3回中四国ラクロスリーグ戦 山口大学 川崎医療福祉大学
第4回九州ラクロスリーグ戦 第一経済大学 福岡大学
第5回クラブチーム東日本リーグ戦 東日本ラクロスクラブ WISTERIA
第2回クラブチーム西日本リーグ戦 ナニワラクロスクラブ (第3回大会からの実施)

『第11回 1996年・世界大会を初めて日本で開催』 へ続く

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