【日本ラクロスの四半世紀・第22回】 2004年・ラクロス環境の基盤強化へ

2012/07/14

 2004年(平成16年)
2月 各チームの安全対策を促進するため、SafetyGuard制度(SG制度)を導入。
導入初年度のSafetyGuard講習会には、全国各地区合わせ男女計632名が受講した。
*SafetyGuard(SG):選手の怪我やチーム活動内の事故防止に向けたチーム内の安全対策担当者
4月 大学卒業後もラクロスを続ける人数を増やし、各地区リーグ戦の活性化を図るため、OBOG普及活動を開始。
 [関東・女子]第1回ミニゲーム大会(4月29日、東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場)
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 [関東・男子]第1回OB大学対抗戦(5月3日、東京・江戸川区臨海球技場)
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 [関西・男女]第1回関西ラクロスOBGラクロス広場(5月3日、大阪・長居球技場)
5月 第1回全国クラブ交流戦開催(男子:関東開催/女子:関西開催)
 [男子:関東会場]3日、東京・江戸川区臨海球技場
 [女子:関西会場]1~3日、大阪・舞洲球技場
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第1回関西学生ラクロスプライドトーナメント(決勝戦:30日、京都・宝が池球技場)
男子は立命館大学が、女子は関西学院大学が優勝した。
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6月 第1回らくさい(東北ラクロス祭り)開催(5~6日、宮城)
沖縄ラクロスクラブ(男)、明治学院大学(男)、東京女子体育大学(女)が出場し、東北選抜・東北ユース選抜等と試合を実施した。
6日に実施したメインゲームの結果は、以下の通り(岩沼陸上競技場)
 [女子戦]東北選抜 0-22 東京女子体育大学
 [男子戦]東北ユース選抜 2-13 沖縄ラクロスクラブ
 [男子戦]東北選抜 9-8 明治学院大学
7月 第1回アジアパシフィックトーナメント大会が開催される(3~10日、豪・アデレード、参加:10チーム)
この時は男子のみの開催で、日本21歳以下男子日本代表が出場。
 ※女子の部は、2009年・第4回水原大会からの開催。
公式戦における会場運営機能を強化するため、FieldDirector制度(FD制度)を導入。
*FieldDirector(FD):主に、地区リーグ戦での試合数の多い地区で先行して実施。
12月 第15回全日本選手権大会を開催(決勝戦:19日、東京・江戸川区陸上競技場)
この大会には、男子・4地区予選で北海道大学が1位となり、北海道地区のチームとして初めて全日本選手権本戦の舞台に立った。
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 ラクロスを取り巻く環境基盤の強化
年々、ラクロスの規模が大きくなってきたのに伴い、ラクロスを取り巻く様々な面の強化が図られる年となった。

前年度から指導者資格制度が始まり、各チームにおける強化基盤の整備が始まったことに続き、この年はSaftyGuard(SG)制度の導入・促進を図ることとなった。これは、各チームの競技レベル向上に伴う怪我や選手数の増加に伴うチーム活動中の事故が発生することが予想される中で、チーム内の安全対策意識を高め、怪我・事故の防止活動の実践を目指すものであった。
そのために、1995年に事務局内に設立した医科学研究部を、1999年の安全対策促進部への改称を経て、2004年度からチーム・選手と関係性の近い強化部と統合させ、各チーム内への安全対策実施の促進を図った。
SafetyGuard1SafetyGuard2
[左:救護班活動の確認をするSGたち/右:SGはプレー状況を見ながら事故が起きないよう練習をコントロールする]

ラクロスの大会規模が大きくなってきたことを踏まえ、より円滑な大会運営を実現するために、FieldDirector(FD)制度の導入を行った。これは、毎年多くの大会運営スタッフが活動する中で、大会運営ノウハウの蓄積と新規スタッフの育成を推し進めるもので、公式戦の多い地区を中心に導入を進めていった。
FieldDirector1FieldDirector2
[左:円滑な大会運営のためにFDがスタッフをサポートする/右:新しい運営スタッフの育成もFDの目的の一つ]

学生チームが増加してきたことを踏まえ、大学卒業後もラクロスを続ける人数を増やし、各地区の更なる活性化に繋げていくことが求められるようになってきていた。そして、全国にある既存のクラブチームの活性化(全国クラブ交流戦)や、新旧の区別なくOB・OGに「スティックを持って集まれる機会」の提供(OBOG普及活動)等により、社会人になってもラクロスを続ける環境が育っていくことを図った。
OBOG普及活動3
OBOG普及活動1OBOG普及活動2
[下右:様々なチームの卒業生が集まるので、チームを作るとユニフォームがバラバラになる]

全国各地区にラクロスが広まってきたことに伴い、更なる普及・強化に向けた各地区の課題を解決することが求められるようになってきていた。東北地区では地区内外の交流促進による活性化を図るために「第1回らくさい(東北ラクロス祭り)」を始めとする様々な催しを実施した。その他の地区でも、プレシーズンに既存・新規の様々な行事を実施し、地区内の普及・強化を図っていった。
 [各地区の主なプレシーズン行事(2004年度)]
  ・北海道地区:第9回春季スペシャルマッチ  (*当時のフィールドレポートページはこちらから
  ・東北地区:第1回らくさい(東北ラクロス祭り)
  ・関東地区:第4回新人戦サマーステージ、第7回あすなろカップ  (*当時のフィールドレポートページはこちらから
  ・関西地区:第1回関西学生ラクロスプライドトーナメント  (*当時のフィールドレポートページはこちらから
  ・中四国地区:第7回中四国ラクロスサマーカップ  (*当時のフィールドレポートページはこちらから
  ・九州地区:第8回鳥栖カップ  (*当時のフィールドレポートページはこちらから

各地区行事1各地区行事2
[左:東北地区では様々な交流行事を実施/右:第1回関西学生プライドトーナメント・決勝戦]

また、全日本選手権では、北海道大学(男子)が4地区予選を勝ち抜き、北海道地区のチームとして、初めて本戦に出場した。これにより、北海道・東北・関東・東海・関西・中四国・九州の全地区から、全日本選手権大会・本戦出場チームが生まれることとなった。
北海道地区初の本戦出場1北海道地区初の本戦出場2
[左右:北海道地区のチームとして初めて全日本選手権本戦出場を果たした北海道大学(男子)]


 アジアパシフィックトーナメントのスタート
第1回アジアパシフィックラクロストーナメント(Asia Pacific Lacrosse Tournament/ASPAC)が、豪・アデレードで開催された。
日本・オーストラリアが中心となって準備が進められたこの大会は、当初は男子の部のみの開催であったものの、2009年・第4回大会(韓国・水原)から女子の部も始まり、アジアパシフィック地域でのラクロスの発展を示す大会に育っている。

出場した21歳以下男子日本代表は、23歳以下オーストラリア代表、19歳以下オーストラリア選抜に敗れ、総合3位となった。
23歳以下オーストラリア代表ヘッドコーチから「日本チームは、ボールをダウンさせる技術も高く、ブレイクから得点する能力も高い。しかし、ボールを確保し展開していく能力が弱い」「速いだけでは僕たちには勝てない」との指摘を受ける結果ではあったが、予選で敗れたチームに順位決定戦で勝利する等、成果も得られた大会となった。

日程 試合 対戦チーム スコア
7月3日 予選リーグ(第1戦) Wookie(WestCoast Australia / New Zealand) 13-12
7月4日 予選リーグ(第2戦) Devils(Australia U19) 9-15
7月5日 エキシビションマッチ Korea 14-0
7月6日 予選リーグ(第3戦) USA West 11-7
7月7日 予選リーグ(第4戦) Australia U23 3-31
7月8日 予選リーグ(第5戦) California(USA) 7-12
7月10日 順位決定戦(3位・4位) California(USA) 11-2
ASPAC1ASPAC2


 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第1回アジアパシフィック大会 Australia U23 総合3位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第16回ラクロス国際親善試合 米・Princeton University
米・西海岸大学選抜
米・西海岸大学選抜
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第15回ラクロス全日本選手権大会 VALENTIA WISTERIA
第6回全日本クラブ選手権大会 VALENTIA MISTRAL
第6回全日本ユース選抜選手権 関東ユース選抜 関東ユース選抜
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第10回北海道ラクロスリーグ戦 北海道大学 北海道浅井学園大学
第11回東北ラクロスリーグ戦 新潟大学 COUGARS
第17回関東学生ラクロスリーグ戦 慶應義塾大学 東京女子体育大学
第13回東海学生ラクロスリーグ戦 南山大学 南山大学
第15回関西学生ラクロスリーグ戦 京都大学 武庫川女子大学
第12回中四国ラクロスリーグ戦 岡山大学 岡山大学
第13回九州ラクロスリーグ戦 西南学院大学 福岡大学
第14回クラブチーム東日本リーグ戦 VALENTIA WISTERIA
第11回クラブチーム西日本リーグ戦 NLC HORNETZ SCHERZO
中高生大会 優勝(女子)
第9回Teen'sCup   ブレイブユース東京成徳大学高等学校
第9回Teen'sCup関西   CHERRY'S(立命館宇治高等学校)

『第23回 2005年・女子日本代表の躍進、PoolA昇格へ』 へ続く

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2012全国大会