第6回全日本大学選手権大会・大学選手権の歴史

2014/11/11

大会カップ駒沢陸上競技場

全日本ラクロス大学選手権大会は2009年から始まり、2013年の第5回大会までに男女計24チームが本戦に出場してきた。少しずつ歴史を積み重ねてきたこの大会の舞台となるのは、日本ラクロスの黎明期を支えてきた駒沢オリンピック公園陸上競技場である。
 
 駒沢オリンピック公園陸上競技場を舞台とした日本ラクロス黎明期
「平成」が始まった年でもある1989年6月17日(土)。駒沢オリンピック公園陸上競技場で、『第1回ラクロス国際親善試合』を開催した。本戦は、「ジョンズ・ホプキンス大学 対 オーストラリア選抜」の男子戦のみ。男女日本チームの試合は、エキシビションでの「日本選抜 対 セント・ポール校」のみだったが、この日、この会場から、全日本選手権より長い歴史を持つ大会であるラクロス国際親善試合が始まった。
第1回国際親善試合1第1回国際親善試合2第1回国際親善試合3

その後、この駒沢陸上競技場では、1993年12月12日(日)に『第4回ラクロス全日本選手権大会(決勝戦)』が、1994年6月12日(日)に『第6回ラクロス国際親善試合』を開催した。
1993年の全日本選手権では、男子史上初の東西決戦(慶應義塾大学 対 関西学院大学)が生まれる一方、女子決勝は、4年連続となる「東京女子体育大学 対 関西学院大学」の対戦となった。
1994年の国際親善試合では、女子は前年のワールドカップで2位となったイングランドスクワッド、男子はNCAAディヴィジョン1のバックネル大学という強豪が来日し、日本ラクロスに、高いレベルのプレーを見せていった。
第4回全日本選手権1第4回全日本選手権2第6回国際親善試合1第6回国際親善試合2
 
 第1回大会 (決勝戦:2009年11月29日)
日本ラクロスの歴史を紡いできた駒沢オリンピック公園陸上競技場を舞台として2009年から『全日本ラクロス大学選手権大会』を開始した。第1回大会に出場したのは、4地区予選も含め、以下の14チーム。
 [男子]一橋大学、関西学院大学、名城大学、北海道大学、新潟大学、岡山大学、西南学院大学
 [女子]東海大学、大阪国際大学、南山大学、北海道大学、東北大学、愛媛大学、福岡大学
決勝戦当日は肌寒い天気になったにも関わらず、関西・東海地区からも多くの観戦者が訪れていた。
第1回大会2第1回大会5第1回大会8

女子決勝戦は、「大阪国際大学 対 東海大学」の対戦となった。準決勝戦では苦しんだ東海大学が、決勝戦では大阪国際大学を大差で下し、初代王座に輝く。また、敗れはしたものの、福岡大学は準決勝戦で東海大学に対し、6-7という接戦を演じ、大会を盛り上げた。
男子決勝戦は、「関西学院大学 vs 一橋大学」の対戦となった。1990年の「第1回全日本選手権大会」に続く”第1回大会”への出場を果たした関西学院大学だったが、決勝戦では、終始リードし続けた一橋大学が勝利し、初代王座に輝いた。
第1回大会4第1回大会6第1回大会7

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 第2回大会 (決勝戦:2010年11月28日)
初めて関西会場でも試合(準決勝戦)が行われた第2回大会は、男女とも、前年の優勝・準優勝チームが出場できないという戦国の様相を呈した大会となった。第2回大会に出場したのは、4地区予選も含め、以下の14チーム。
 [男子]早稲田大学、京都大学、名城大学、北海道大学、新潟大学、岡山大学、西南学院大学
 [女子]日本体育大学、同志社大学、南山大学、北海学園大学、東北大学、川崎医療福祉大学、西南学院大学

女子決勝戦は、「同志社大学 対 日本体育大学」の対戦。日本体育大学が同志社大学を下し、王座に輝いた。また、準決勝戦の、「西南学院大学 対 日本体育大学」では、点の取り合いで女子初の延長戦となった。前年に続き、九州地区のチームが優勝したチームを苦しめる展開となり、大いに大会を盛り上げた。
男子決勝戦は、「京都大学 vs 早稲田大学」の対戦となった。準決勝戦を危なげなく勝ち上がった両チームの対戦は点の取り合いとなったが、終始リードし続けた早稲田大学が、追いすがる京都大学を突き放し、第2回大会の王座に輝いた。
第2回大会1第2回大会3第2回大会4

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 第3回大会 (決勝戦:2011年11月27日)
第3回大会に出場したのは、4地区予選も含め、以下の14チーム。
 [男子]早稲田大学、京都大学、名古屋大学、北海道大学、新潟大学、岡山大学、西南学院大学
 [女子]立教大学、関西学院大学、金城学院大学、北海学園大学、宮城学院女子大学、岡山大学、西南学院大学

男子決勝戦は、前年と同じ「京都大学 vs 早稲田大学」の対戦となった。点を取り合う攻防を制したのは、終始リードを守った早稲田大学。追いすがる京都大学を10-8で下した。早稲田大学は、予選も含め男子出場校全8校の内の7校が前年に続く連続出場となった混戦模様の大会を制し、大会初の連覇を成し遂げた。
女子決勝戦は、「関西学院大学 対 立教大学」の対戦。特に試合後半に入ると、同点、勝ち越し、同点、逆転、再逆転と、激しい展開の試合となった。試合残り4分で逆転された関西学院大学が、 残り1分で同点弾、勝ち越し弾を立て続けに決め、劇的な勝利を収めた。これは同時に、初めて関西地区のチームが大会を制した瞬間であった。
2011男子決勝戦22011女子決勝戦32011女子決勝戦2

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 第4回大会 (決勝戦:2012年11月25日)
北海道地区の日本学生ラクロス連盟支部化に伴い、大会形式を変更し1回戦を開催することとなった。日本学生ラクロス連盟に新しい支部が発足するのは、1997年に東海地区が支部化を果たして以来、15年振りである。1回戦の開催地となった東海地区と共に、北海道地区の更なる成長が期待される。
支部化を果たした北海道地区のチーム名古屋会場金城学院大学

大会に出場したのは、3地区予選も含め、以下の14チーム。
[男子]慶應義塾大学、京都大学、名古屋大学、北海道大学、岩手大学、岡山大学、西南学院大学
[女子]慶應義塾大学、同志社大学、金城学院大学、北海学園大学、東北大学、愛媛大学、福岡大学

名古屋会場での1回戦を勝利した女子・金城学院大学は準決勝戦で同志社大学を破り、学生・クラブを通して東海地区のチームとして初となる全国大会決勝戦への進出を果たした。決勝戦では、その金城学院大学を破り、慶應義塾大学が初優勝を果たした。慶應義塾大学は、その勢いのまま12月の全日本選手権でもクラブチームを破り、1998年の男子・慶應義塾大学以来、14年振りとなる学生チームによる日本一を果たした。
男子決勝戦は、3年連続決勝戦進出となった関西・京都大学と、大会初出場の慶應義塾大学の戦いとなった。京都大学が先制点を奪うものの、2Qに一挙5点を奪った慶應義塾大学が大会初優勝を果たした。そして、慶應義塾大学は、大会初となる男女同時優勝を果たした。
慶應義塾大学(女子)慶應義塾大学(男子)初の男女同時優勝

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 第5回大会 (決勝戦:2013年12月1日)
節目となる第5回大会に出場したのは、3地区予選も含め以下の14チーム。
[男子]早稲田大学、神戸大学、名城大学、北海道大学、九州大学、東北大学、岡山大学
[女子]慶應義塾大学、関西学院大学、北海道大学、愛媛大学、南山大学、宮城学院女子大学、福岡大学

1回戦から決勝戦まで、全ての日程で晴天に恵まれたこの年は、大学選手権の創設後に入学した選手たちだけによる初の大会であるとともに、前年と同じ形式・日程で行われる初の大会でもあった。

前年の岡山大学(男子)に続き、この年は、愛媛大学(女子)が本戦で勝利を挙げた。地区予選を経て大会に出場するチームが本戦で勝利を得ることが珍しいことではなくなる一方で、準決勝戦は、4試合全てで大差がつく試合となり、大学選手権に臨む強豪校の盤石さを感じさせられた。
男子決勝戦は、11年振りに関西学生リーグを制覇した神戸大学の追い上げを振り切り、早稲田大学が3回目の優勝を果たした。また、大会初の優勝経験校同士の対戦となった女子決勝戦は、選手層の厚さも感じさせた慶應義塾大学が2年連続の優勝を果たした。
第5回大会1第5回大会3第5回大会2

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全日本ラクロス大学選手権大会は、第5回という節目を過ぎて、全国から実力を持った新しいチームが登場してくるとともに、大学の枠を飛び越えクラブチームと伍して戦う実力を持つチームが生まれてくる大会へと育ってきている。
そして、今年も、大学選手権王座の地位と全日本選手権への切符を目指し、11月30日の駒沢陸上競技場まで、激闘が繰り広げられるだろう。

第5回大学選手権大会