2014男子世界選手権・第6戦(ニュージーランド戦)
2014/07/17
7月16日(12日目)
今回の大会の中では12時開始、とこれまでより一番早い時間帯の試合。
9:30に大学寮を出発する為、いつもより早い動きだしとなりました。
ウォーミングアップでは、身体をしっかりと起こす為、入念にストレッチが行われました。
昨日の延長戦の疲れはあまり見られず、今日・明日の試合、負ければBlueDivision降格ということで、さらに気を引き締め、試合に挑みました。
7月16日(水)のスケジュール
・朝食
・ミーティング
・昼食
・移動
・vs ニュージーランド (Play In Games第1戦)
・補食
・フリー/ケア
・夕食
・ミーティング
・ケア
日時:2014年7月16日(水) 12:00試合開始
日本代表(白) vs ニュージーランド代表(黒)
スコア
得点者
昨日、イングランド相手に雪辱を果たし自信を付けた日本代表。
世界大会では初の顔合わせとなるニュージーランドとの対戦。
(APLUアジアパシフィック選手権では2011年に22歳以下日本代表が対戦し勝利)
し かし、ニュージーランド代表は、今大会では並み居る強豪、ウェールズ、オランダに対して勝利しPlay In Gamesに駒を進めている。実力差はあるかもしれないが、BlueDivision(トップディヴィジョン)で連戦を戦ってきた日本にとって簡単な試合 にはならないだろう。しかし、まだうっすらとした自信を確信に変えるには十分な試合である。
[左:ニュージーランド代表による「ハカ」/右:コンディションを整える日本代表]
第1Q
試合開始前にニュージーランドの伝統的な舞「ハカ」がニュージーランドの選手により踊られ、1Qが開始された。
開始早々ゴールに襲い掛かる日本。先日からディフェンスを物ともしない#17・小澤のジャンプシュート。ポストに当たり入りはしないがニュージーランドのDFを戸惑わせるのには十分だった。開始4分、DFが警戒し少し引いたところを#10・本下は見逃さない。得意なサイドシュートが決まり先制弾となる。
[左:シュートを放つ#17・小澤/右:シュートを狙う#10・本下]
先制をしたものの、ボールがクロスに落ち着かない。#3・関根の攻撃開始から#5・畑田、#7・池川が仕掛け相手の守備力を奪うが、ラストパス、キャッチでミスが起きる。
ゲームの主導権はどちらも掴めない。ニュージーランドのファールがあり、日本のエキストラマンオフェンスに。日本が主導権を握るチャンスとなるが、パスをインターセプトされてしまう。そのままニュージーランドの得点となる。
簡単なミスの連続となるが、14分、この状況を打破したのは#12・岡部だった。1対1で相手を抜き去り得点。日本に「行ける!」と思わせる得点となる。相手ボールとなっても#6・弘中の積極的な守備からミスを誘いファーストブレイクを落ち着いて畑田が決めた。
2点のリード、3-1。しかしまだやれるという歯がゆさを残し2Qへ臨む。
第2Q
日本のエキストラマンオフェンスとなるが得点は出来ず、一瞬の迷いから相手にボールをインターセプトされてしまう。ニュージーランドはチャンスを逃すまいと#2、#3がオフェンスを組み立てて得点。差を1点とした。
ここで流れを日本に寄せたのはベテランの#27・畠山だった。フェイスオフからそのまま攻撃参加して得点する。日本の全方位からの攻撃に萎縮したニュージーランドに対し、#4・藤平も攻撃参加し、本下が追撃。畑田の仕掛けからのラストパスに#18・佐保田も応え3連続得点とする。ここでタイムアウトを取る。しっかり、勝ちのクウォーターを重ねたい。
[左:#4・藤平/右:#22:星]
タイムアウト明けのフェイスオフはニュージーランドボールとなる。チェックでボールが落ちるもグラウンドボールを取りきれず、インターセプトを狙うも一歩及ばず失点となる。点の応酬が続き、残り3分。アタック陣を中心にパスの交換が行われ、ニュージーランドに十分なディフェンスをさせない。しかしシュートを決め切ることは出来ない。クウォーターが終わるかと思われたが、もう一つチャンスが残っていた。#22・星がこぼれ球を見逃さず、持って上がる。シュート体勢からDFを惹きつけラストパスをするも最後の最後でミスとなる。ここでも決め切ることは出来なかった。終わってみれば、この区ウォーターの得点は4-3。確信に繋げるにはまだ物足りないクウォーターとなった。
第3Q
後半開始直後、シュートのこぼれ球を#6・弘中が獲り日本ボール。#13・岩野の鋭い仕掛けから、#7・池川を経由してラストパスは#11・忠平へ。ミドルシュートが決まる。その後もフェイスオフを支配し、佐保田がDFを引きつけ日本の攻撃を加速させ、ボールを動かし攻めるタイミングを窺った。しかし、ストーリングの判定から相手ボールとなってしまう。このリスタートを待ってました、と言わんばかりにニュージーランドのロングスティックのミドルシュートが決まる。
直後相手のファールに助けられ、忠平の冷静な2点目が入るも、我慢のクウォーターに変わりはなかった。#2・服部がゴール近場のニュージーランドの決定機をスーパーセーブで断ち切るが、日本は2失点。3Q最後のニュージーランドのミドルシュートはポストに当たり助けられる。日本も決定機があるものの、服部の好セーブで3-4となんとか守り切ったクウォーター。
[左:鋭い仕掛けを見せる#13・岩野/右:フェイスオフを試合した#33・陳野]
第4Q
残された時間は20分。このクウォーターで勝利を、自信を確実なものにしていかなくては、この後の試合を戦っていくことは難しくなる。日本に必要なのはボールを取り切る、点を取り切る。これを徹底できるかが求められた。
ニュージーランドのゴール前のフィードに対するゴーリー・服部のファインセーブから始まるが、攻撃権はまたニュージーランドに。一番最初にチャンスボールを取り切ることを体現したのは#9・継だった。ニュージーランドのハーフフィールドオフェンスから転がってきたミスボールを見逃さず取り切り、ファーストブレイク。#5・畑田が点を取り切った。
これを皮切りに、フェイスオフから、#11・忠平が強く持ち込み、#7・池川がアシスト、#3・関根が得点を決め切った。#27・畠山も続き本日2点目を決める。フェイスオフのボール際では#26・谷嶋、#22・星が粘り、ミスを誘いマイボールにする。そのボールをゴールに叩き込んだのはキャプテンの#19・水田。ロング陣が前に出るシチュエーションが続き、谷嶋→弘中→山口とパスを回して得点をあげるというロング陣の3重奏も爆発した。
[左:#27・畠山のシュートがゴールに決まる/右:#19・水田]
覚醒した日本は止まらない。関根の強い仕掛けから、ニュージーランドにディフェンスをさせない。忠平が受けてゴール前の池川にパス。豪快に決める。その後、1失点を許すも、最終クウォーターは8-1と勝ち切り、試合を終えた。
ニュージーランド戦を終えて、今の日本代表に重要なこと。それはこの連戦という、メンバーの体力、精神力が摩耗する厳しい状況の中、残り2試合を前にして、“勝利をあげた”、そして、自分たちのやりたいことが、やるべきこととなり体現できた。そんな“今できたこと”だけではないか。
このフィールドで行われた次の試合は、スコットランド対イラコイ・ナショナルズ。選手としても、観客としても、イラコイと戦うスコットランドを見て、「もっと出来なくてはいけない!」、「やらなきゃヤバイ!」と焦燥感を覚えるかもしれない(イラコイが勝利したが、10-8という僅差の試合だった)。しかし、1日で大きな変化は訪れないと思う。今できることをただやるだけだ。それだけが自信であり、武器になる。その向こう側にチームの進化や成長が有るのではないだろうか。
観客も焦る必要はない。その焦燥感を希望という信頼の言葉に変えて、日本代表の選手を信じて応援して欲しい。それが何よりの試合への原動力となるはずだから。
泣いても笑っても、あと2試合に変わりはない!頑張れニッポン!
Text by:日本ラクロス協会事務局次長補佐(関東地区)・浅井威宏
Photo by:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
今回の大会の中では12時開始、とこれまでより一番早い時間帯の試合。
9:30に大学寮を出発する為、いつもより早い動きだしとなりました。
ウォーミングアップでは、身体をしっかりと起こす為、入念にストレッチが行われました。
昨日の延長戦の疲れはあまり見られず、今日・明日の試合、負ければBlueDivision降格ということで、さらに気を引き締め、試合に挑みました。
7月16日(水)のスケジュール
・朝食
・ミーティング
・昼食
・移動
・vs ニュージーランド (Play In Games第1戦)
・補食
・フリー/ケア
・夕食
・ミーティング
・ケア
日時:2014年7月16日(水) 12:00試合開始
日本代表(白) vs ニュージーランド代表(黒)
スコア
チーム
|
1Q
|
2Q
|
3Q
|
4Q
|
TOTAL
|
日本代表
|
3
|
4
|
2
|
8
|
17
|
ニュージーランド代表
|
1
|
3
|
3
|
1
|
8
|
日本代表 |
#4 畑田 峻希 (2) |
#7 池川 健 (2) |
#10 本下 純 (2) |
#11 忠平 裕司 (2) |
#27 畠山 昂太 (2) |
#3 関根 幹祐 (1) |
#9 継 渉 (1) |
#12 岡部 光人 (1) |
#17 小澤 徹也 (1) |
#18 佐保田 裕介 (1) |
#19 水田 裕樹 (1) |
#23 山口 悠 (1) |
世界大会では初の顔合わせとなるニュージーランドとの対戦。
(APLUアジアパシフィック選手権では2011年に22歳以下日本代表が対戦し勝利)
し かし、ニュージーランド代表は、今大会では並み居る強豪、ウェールズ、オランダに対して勝利しPlay In Gamesに駒を進めている。実力差はあるかもしれないが、BlueDivision(トップディヴィジョン)で連戦を戦ってきた日本にとって簡単な試合 にはならないだろう。しかし、まだうっすらとした自信を確信に変えるには十分な試合である。
[左:ニュージーランド代表による「ハカ」/右:コンディションを整える日本代表]
第1Q
試合開始前にニュージーランドの伝統的な舞「ハカ」がニュージーランドの選手により踊られ、1Qが開始された。
開始早々ゴールに襲い掛かる日本。先日からディフェンスを物ともしない#17・小澤のジャンプシュート。ポストに当たり入りはしないがニュージーランドのDFを戸惑わせるのには十分だった。開始4分、DFが警戒し少し引いたところを#10・本下は見逃さない。得意なサイドシュートが決まり先制弾となる。
[左:シュートを放つ#17・小澤/右:シュートを狙う#10・本下]
先制をしたものの、ボールがクロスに落ち着かない。#3・関根の攻撃開始から#5・畑田、#7・池川が仕掛け相手の守備力を奪うが、ラストパス、キャッチでミスが起きる。
ゲームの主導権はどちらも掴めない。ニュージーランドのファールがあり、日本のエキストラマンオフェンスに。日本が主導権を握るチャンスとなるが、パスをインターセプトされてしまう。そのままニュージーランドの得点となる。
簡単なミスの連続となるが、14分、この状況を打破したのは#12・岡部だった。1対1で相手を抜き去り得点。日本に「行ける!」と思わせる得点となる。相手ボールとなっても#6・弘中の積極的な守備からミスを誘いファーストブレイクを落ち着いて畑田が決めた。
2点のリード、3-1。しかしまだやれるという歯がゆさを残し2Qへ臨む。
第2Q
日本のエキストラマンオフェンスとなるが得点は出来ず、一瞬の迷いから相手にボールをインターセプトされてしまう。ニュージーランドはチャンスを逃すまいと#2、#3がオフェンスを組み立てて得点。差を1点とした。
ここで流れを日本に寄せたのはベテランの#27・畠山だった。フェイスオフからそのまま攻撃参加して得点する。日本の全方位からの攻撃に萎縮したニュージーランドに対し、#4・藤平も攻撃参加し、本下が追撃。畑田の仕掛けからのラストパスに#18・佐保田も応え3連続得点とする。ここでタイムアウトを取る。しっかり、勝ちのクウォーターを重ねたい。
[左:#4・藤平/右:#22:星]
タイムアウト明けのフェイスオフはニュージーランドボールとなる。チェックでボールが落ちるもグラウンドボールを取りきれず、インターセプトを狙うも一歩及ばず失点となる。点の応酬が続き、残り3分。アタック陣を中心にパスの交換が行われ、ニュージーランドに十分なディフェンスをさせない。しかしシュートを決め切ることは出来ない。クウォーターが終わるかと思われたが、もう一つチャンスが残っていた。#22・星がこぼれ球を見逃さず、持って上がる。シュート体勢からDFを惹きつけラストパスをするも最後の最後でミスとなる。ここでも決め切ることは出来なかった。終わってみれば、この区ウォーターの得点は4-3。確信に繋げるにはまだ物足りないクウォーターとなった。
第3Q
後半開始直後、シュートのこぼれ球を#6・弘中が獲り日本ボール。#13・岩野の鋭い仕掛けから、#7・池川を経由してラストパスは#11・忠平へ。ミドルシュートが決まる。その後もフェイスオフを支配し、佐保田がDFを引きつけ日本の攻撃を加速させ、ボールを動かし攻めるタイミングを窺った。しかし、ストーリングの判定から相手ボールとなってしまう。このリスタートを待ってました、と言わんばかりにニュージーランドのロングスティックのミドルシュートが決まる。
直後相手のファールに助けられ、忠平の冷静な2点目が入るも、我慢のクウォーターに変わりはなかった。#2・服部がゴール近場のニュージーランドの決定機をスーパーセーブで断ち切るが、日本は2失点。3Q最後のニュージーランドのミドルシュートはポストに当たり助けられる。日本も決定機があるものの、服部の好セーブで3-4となんとか守り切ったクウォーター。
[左:鋭い仕掛けを見せる#13・岩野/右:フェイスオフを試合した#33・陳野]
第4Q
残された時間は20分。このクウォーターで勝利を、自信を確実なものにしていかなくては、この後の試合を戦っていくことは難しくなる。日本に必要なのはボールを取り切る、点を取り切る。これを徹底できるかが求められた。
ニュージーランドのゴール前のフィードに対するゴーリー・服部のファインセーブから始まるが、攻撃権はまたニュージーランドに。一番最初にチャンスボールを取り切ることを体現したのは#9・継だった。ニュージーランドのハーフフィールドオフェンスから転がってきたミスボールを見逃さず取り切り、ファーストブレイク。#5・畑田が点を取り切った。
これを皮切りに、フェイスオフから、#11・忠平が強く持ち込み、#7・池川がアシスト、#3・関根が得点を決め切った。#27・畠山も続き本日2点目を決める。フェイスオフのボール際では#26・谷嶋、#22・星が粘り、ミスを誘いマイボールにする。そのボールをゴールに叩き込んだのはキャプテンの#19・水田。ロング陣が前に出るシチュエーションが続き、谷嶋→弘中→山口とパスを回して得点をあげるというロング陣の3重奏も爆発した。
[左:#27・畠山のシュートがゴールに決まる/右:#19・水田]
覚醒した日本は止まらない。関根の強い仕掛けから、ニュージーランドにディフェンスをさせない。忠平が受けてゴール前の池川にパス。豪快に決める。その後、1失点を許すも、最終クウォーターは8-1と勝ち切り、試合を終えた。
ニュージーランド戦を終えて、今の日本代表に重要なこと。それはこの連戦という、メンバーの体力、精神力が摩耗する厳しい状況の中、残り2試合を前にして、“勝利をあげた”、そして、自分たちのやりたいことが、やるべきこととなり体現できた。そんな“今できたこと”だけではないか。
このフィールドで行われた次の試合は、スコットランド対イラコイ・ナショナルズ。選手としても、観客としても、イラコイと戦うスコットランドを見て、「もっと出来なくてはいけない!」、「やらなきゃヤバイ!」と焦燥感を覚えるかもしれない(イラコイが勝利したが、10-8という僅差の試合だった)。しかし、1日で大きな変化は訪れないと思う。今できることをただやるだけだ。それだけが自信であり、武器になる。その向こう側にチームの進化や成長が有るのではないだろうか。
観客も焦る必要はない。その焦燥感を希望という信頼の言葉に変えて、日本代表の選手を信じて応援して欲しい。それが何よりの試合への原動力となるはずだから。
泣いても笑っても、あと2試合に変わりはない!頑張れニッポン!
■日本代表・第7戦 Play In Games スコットランド代表 7月17日(木)・14:30~ [日本時間:7月18日(金)・5:30] ■日本代表への応援メッセージ受付ページ ■インターネット中継について |
Text by:日本ラクロス協会事務局次長補佐(関東地区)・浅井威宏
Photo by:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
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