【FIL女子U19ラクロス世界選手権】大会レポート(8/5・第2戦 対イングランド)

2011/08/06

2011年8月5日。
19歳以下女子日本代表(以下、U19日本代表)は、前回大会で3位のイングランドを撃ち破り、勝利しました!

イングランド戦寶田選手

スコア
チーム 前半 後半 合計
日本 6 7 13
イングランド 5 5 10
得点者
日本
#10 寶田 倫子 (4)
#4 稗田 早織 (3)
#14 小西 那奈 (2)
#7 鈴木 由真 (1)
#9 石井 麻衣 (1)
#12 高野 ひかり (1)
#17 木村 奈採 (1)
MVP(Most Valueable Player)
#10 寶田 倫子
MVPを受賞した寶田選手

ゲームレポート
実にあっけなく、実に簡単にベルリンの壁崩壊の地ドイツで、U19日本代表はイングランドの壁を崩壊させた。

ここ数年の世界大会においても、2007年U19世界大会(8-17)、2009年世界大会(12-19)と、
過去に苦杯をなめさせられてきたライバルを13-10で撃ち破り、日本ラクロスの歴史に新たな足跡を残した。

先取点は開始2分イングランド、しかしその1分後AT#14小西が得点を挙げる。
4分にフリーシュートからイングランドに決められ1-2。その後、なかなかどちらも点が入らない展開となり10分が過ぎた。

開始10分を見る限り、日本はイングランドに対し何一つ劣っている事はないと確信する。
互角に戦える手ごたえを日本は感じていた。
そう思う根拠で誰の目にも明らかなのは以下の3点である。

(1)イングランドは日本の、特にオフェンス局面での脚力に全くついていけず、1対1はことごとく日本が相手を置き去りにする。NBC(※)がボールを受ける際にも十分にDFを引き離してボールを受ける為、よい姿勢で次のプレーに移る事ができていた。USA戦では球際で余裕がなくミスを繰り返していた。 (※NBC(Non Ball Carrier):ボールを持たない選手)
(2)イングランドは日本のプレスディフェンスに対応できず、ゴールに向かうプレーができていなかった。
(3)ドローがMF#4稗田の奮闘により互角に戦えていた

ここから一進一退の攻防が始まる。
11分DF#12高野が積極的にオフェンスに参加し、狭いエリアにカットで飛び込んでのゴール。スローブレークからの流れの中での得点で手放しで賞賛できる素晴らしいゴールで2-2。
12分、13分と連続失点で2-4。
日本がここでタイムアウトを取る。結果的にこのタイムアウトが日本に流れを引き寄せ、16分にMF#4稗田のゴールで3-4。
20分に1点返され3-5。日本も負けておらずAT#7鈴木がゴール裏からの1対1を制しゴール4-5。
25分にはAT#14小西がゴールし、後半終了間際に同点に追いつく。
27分にAT#10寶田が得点を決め逆転。6-5で前半を終了する。

後半序盤は、自信を持ってプレーする日本に対し、焦るイングランドはミスを連発し、日本が得点を重ね引き離す。
1分にMF#17木村がゴール。
4分にAT#10寶田、7分にAT#9石井、10分に再び#10寶田が決めて10-5とし、勝利をグッと引き寄せる。
11分に1点返されるも、16分#4稗田、17分#10寶田の連続得点で12-6のダブルスコアとする。
このままでは終われないイングランドも意地を見せ、追い上げてくる。18分、19分、22分、22分と4連続得点で12-10の2点差まで詰め寄る。
しかし、抵抗もここまで。26分に#4稗田のゴールで日本はイングランドの息の根を止めた。
このままタイムアップとなり、日本の勝利は危なげなくあっさりと幕を閉じた。

最終的に点差は僅差であったが、日本の選手は終始、自信と余裕を持ってプレーしていた。
選手にとっては「やったー勝ったぞー」というより「あれ勝っちゃったね」くらいの感覚ではなかろうか。
応援の私は、一人、得点が入る度イングランドサポーター席を眺め、勝利感に浸っていた。

恐らく、決勝ラウンドで再戦するであろうイングランドは、終盤の#15 TAYLORの投入とともに攻撃が活性化され、疲れた日本は失点を重ねた。#15 TAYLORをここまで温存していたのは再戦を意識しての作戦なのか、怪我なのかはわからないが、まだまだ底力は残しているようであり、再戦の時は気が抜けないであろう。

今大会2日目を終え、全てのチームが2試合行ったので、ある程度の実力は判明してきた。
USAだけが別次元の強さで、日本、カナダ、オーストラリア、イングランドの第二集団ではカナダが頭ひとつリードし、贔屓目にみているのかもしれないが、日本、オーストラリア、イングランドの順だと思われる。
明日のオーストラリア戦も、胸を借りるなんて試合ではなく、完全に勝ち負けを賭けた試合である。
是非、オーストラリアも撃破し、歴史を変えて欲しい。

イングランド戦同点弾を決めた小西選手
<左:イングランドは日本の前に立ちはだかってきた/右:先制点を奪われた直後に同点弾をいれた小西選手>

出原選手イングランドを抑えた日本のプレスディフェンス稗田選手
<この試合、1対1のオフェンス・プレスディフェンス・ドローで、日本は流れを引き寄せた>

日本のディフェンス勝利に喜ぶ日本代表
<左:イングランドを抑えた日本のディフェンス/右:イングランドに勝利し、喜ぶ選手たち>


フォトギャラリーには、他にもたくさんの大会風景・写真を掲載していきます。
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Text by:日本ラクロス協会今大会Country President・佐藤壮(2009年女子日本代表ヘッドコーチ)
Photo by:日本ラクロス協会広報部・大木佳奈、19歳以下女子日本代表マネージャーリーダー・會田好美