第10回記念ラクロス全日本選手権大会(ゲームレポート)

2003/03/15

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子決勝

日時:1999年12月19日(日)11:00 FaceOff
場所:東京・江戸川区陸上競技場

VALENTIA(クラブチームリーグ2位)vs ADVANCE(クラブチームリーグ1位

スコア
チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
VALENTIA
4
3
3
2
12
ADVANCE
0
2
0
1
3

得点者

得点者
VALENTIA
ADVANCE
#43丸山伸也(4)
#43阿部剛(2)
#37川上順久(2)
#9神田秀之(1)
#91高橋浩平(2)
-
#49大江晃一郎(2)
-
#9山本卓(1)
-
#6村松哲周(1)
-

*()は得点数

個人賞

 
男子
最優秀選手賞
丸山伸也(VALENTIA)
優秀選手賞
阿部剛(ADVANCE)

ゲームレポート

 1999年12月19日(日)天気:晴れ、江戸川区陸上競技場。
 第10回全日本選手権決勝戦が開催された。記念すべき第10回大会の男子決勝戦はADVANCE 対 VALENTIAという全日本クラブ選手権の決勝戦と同じ、関東クラブチーム勢のカードとなった。クラブ選手権の決勝戦は8−6でADVANCEが優勝したが、今回VALENTIAのリベンジなるか!!注目の決勝戦であった。


 11:00FACE OFF。最初のFACE OFFを制したのはVALENTIA#14山中であった。スピードが売りのVALENTIAは安定した球回しで攻撃を仕掛ける。 VALENTIA#43丸山が強烈なシュートを放つが惜しくもゴールフレームに弾かれる。必死にグランドボールをピックアップするADVANCE。両者の緊張感が客席に伝わってくる。ADVANCEも立ち上がりから積極的な攻めを見せる。ADVANCEの安定した攻撃は続き、どちらかと言えば攻撃的にはADVANCE優勢であったが、両者の緊張感を最初に破ったのはVALENTIAであった。ADVANCEも負けじと攻め返す。最初から落着いた攻めを展開していたADVANCEだが今一歩VALENTIAのディフェンスを崩しきれない。VALENTIAのゴーリー#52佐々木のセーブはそれを象徴するかのようだ。開始10分過ぎVALENTIAのゴーリー#52佐々木の好セーブから中央突破のクリアはファーストブレイクに持ち込み#9山本の鮮やかなシュートへ。形の良いファーストブレイクが決まった。VALENTIAは3点目も全く同じ展開で取得する。

 2QはADVANCEが先取。これを機に流れを変えたいところだ。相変わらず落着いた安定した攻撃でVALENTIAのディフェンスが崩れるのを待つ。しかしVALENTIAは攻守ともにスピードがのり展開が速くなって行く。徐々に自分達のプレースタイルを確立していっているのがわかる。ADVANCEは2点を取り返すが対するVALENTIAも3点を取る。結局、ADVANCEは攻めつづけたもののなかなか追いつけない。VALENTIAのスピードに対して自分達のプレースタイルを早くゲームの中で確立したいADVANCE。ADVANCEの後半の攻守に客席の期待が高まる。

 3QはVALENTIA#37川上の強烈なサイドシュートで先取。続いてVALENTIAは#9山本を攻撃の起点にし攻めの展開を見せる。対するADVANCEも#17ゴーリーの嶋田がすばらしい好セーブを見せる。攻撃も#22上村、#43阿部、#14神西、#15吉田を中心に攻撃を仕掛け、#9神田、#34小野寺に球を集めシュートに繋げるが、VALENTIA#23引地を中心としたまとまりあるディフェンスをなかなか崩しきれない。
 4Qに入って8点差を縮めようと必死のADVANCEに諦めは全く感じられない。熱い闘志が見受けられる。とにかく1点でも点差を縮めたい。対するVALENTIAも1点でも多く点を取ろうと必死だ。お互いに手を抜くところがない。結局シュート数はほぼ互角ながら、点差でVALENTIAがリードのまま終了した。

 終わってみれば終始得点でリードをし続けたVALENTIAの優勝となった。ADVANCEのすばらしいプレーも光ったが、今回はVALENTIA#9山本を起点とする攻めと#23引地を中心とする守り、そしてゴーリー#52佐々木の速いクリアが速攻に繋がり、上手くチームカラーを引き出したVALENTIAに記念すべき第10回目優勝旗が渡った。VALENTIAのプレーには常に次の得点を想定したプレーが見受けられた。

 試合終了後、観客を魅了した両者の熱いプレーに惜しみない拍手が送られた。来年もまた熱いプレーを観せてもらいたい。

(Text :JLA Official Web Staff 土屋啓介)
(Photo :JLA Official Web Staff 小城崇史with Nikon D1 Digital Camera)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・女子決勝

日時:1999年12月19日(日)14:50 Draw
場所:東京・江戸川区陸上競技場

WISTERIA(クラブチームリーグ1位)vs MISTRAL(クラブチームリーグ2位)

スコア
チーム
前半
後半
延長
TOTAL
WISTERIA
2
1
1
4
MISTRAL
3
0
0
3

得点者

得点者
WISTERIA
MISTRAL
#19高田静江(2)
#50成田真実子(1)
#14飯塚佳代(1)
#53丹羽香里(1)
#51川辺美穂子(1)
#30矢本万里(1)

*()は得点数

個人賞

 
女子
最優秀選手賞
高田静江
(WISTERIA)
優秀選手賞
成田真実子
(MISTRAL)

ゲームレポート

 女子決勝はウィスタリアvsミストラル、昨年に続いてのクラブチーム対決である。 公式戦での両チームの対戦は今期4回目であり、過去3回の戦いはいずれもウィスタリアが制している。何としても勝ちたいミストラル。アップ時からいつも以上に明るい雰囲気であるのが目をひいた。

 前半、ウィスタリア後藤がフリーショットを打つがミストラル奈良がナイスセーブ。その後ターンオーバーが続くのだが、両チーム決定的なシュートを打つことができない。ウィスタリアはフィールドを大きく使いパス回しをしながらチャンスを伺うが ミストラルはキーマンをしっかりと押さえているためウィスタリアなかなかカットインとシュートに行くことができない。高田・飛山がシュートを打つがゴーリー奈良のナイスセーブに阻まれる。逆に、ミストラルもターンオーバーから独走でゴール前までボールを運ぶが、ウィスタリアもタイトなディフェンス激しいチェックによってミストラルにシュートを決めさせない。
 この試合初の得点はミストラル矢本によるものであった。矢本はターンオーバーから独走し シュートを決めた。しかし、ウィスタリアもリードを許さなかった。アウトオブバウンズから飛山がパスを出し、ゴール前で川辺がキャッチ&シュートし同点にする。続けてウィスタリアは高田がフリーショットを決め、今度はウィスタリアがリードする。が、ミストラルも丹羽のアンダーシュートで同点にする。
 次の1点をめぐって双方激しい攻守を展開していく。ミストラル山本、ウィスタリア後藤がシュートを打つが入らない。ミストラルがボールをキープし時間をかけた攻めでチャンスを作り最後に成田がゴール前に切り込んでシュートを決める。再びミストラルがリードする。前半残りの時間もリードを広げようとするミストラル。追いつこうとするウィスタリアの攻防が続いたが得点決まらず、3-2のまま前半を終えた。

 後半、開始早々に飯塚が鮮やかな独走シュートを決め試合を振り出しに戻す。ここから両チームの1点をめぐる長く激しい攻防が続いていった。ウィスタリア岩瀬・高田がシュートを打つが決まらない。ミストラルも丹羽のフリーショット鈴木のシュートいずれも決まらない。両者攻めきれないままターンオーバーが続いた。両チームに得点が入らなかった要因としては、双方ともディフェンスが厚く決定的な一本を放つことができなかったこと。またゴーリー奈良・徳永がゴールを守ったことが挙げられる。特にミストラルはウィスタリアの大砲、アリソン・パウエルの動きを封じたのが大きい。そして両チーム得点が入らないことから焦りが見られ、止めようとする気持ちからディフェンスが荒くなりデンジャラスチェック、ブロッキング、プッシングなどのファウルが多くなっていった。観客もこの均衡状態に引き込まれ、試合に熱中していき、ボールがゴール前に運ばれるたびにスタンドが大きく沸いた。黄旗が出てからもミストラル長岡、ウィスタリア・アリソン・パウエルが何とか決めようとシュートを打つが決まらなかった。
 そして後半終了のホイッスル。決勝戦は昨年同様延長戦となった。
 5分後、延長戦開始。アウトオブバウンズからの再スタート直後高田がボールを拾いそしてそのままゴールに向かって走り、渾身のシュートを放つ。ボールはまっすぐ進み、ゴールに突き刺さった。一瞬の沈黙の後、審判の笛が鳴り響き、抱き合うウィスタリア、芝に倒れ込むミストラル。最後は実にあっけない幕切れであった。しかしここまでの試合内容は決勝戦にふさわしい素晴らしいものであった。

(text :JLA Official Web Staff 宮口綾子)
(Photo :JLA Official Web Staff 小城崇史 with Nikon D1 Digital Camera)

(Photo :JLA Official Web Staff 島村隆一with Nikon COOLPIX950)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・閉会式

日時:1999年12月19日(日)
場所:東京・江戸川区陸上競技場

優勝チーム表彰

・男子:VALENTIA
・女子:WISTERIA

最優秀審判賞

・男子:宮地圭
・女子:熊澤一美

(Photo :JLA Official Web Staff 小城崇史 with Nikon D1 Digital Camera)
(Photo :JLA Official Web Staff 島村隆一with Nikon Nikon COOLPIX950)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子準決勝

日時:1999年12月12日(日)14:00 FaceOff
場所:東京・江戸川区臨海球技場

ADVANCE(クラブチームリーグ1位)vs 慶應義塾大学(関東学生リーグ1位)

スコア
チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
ADVANCE
0
4
1
1
6
慶應義塾大学
1
1
2
1
5

得点者

得点者
ADVANCE
慶應義塾大学
#9神田秀之(4)
#11瀬田龍一(3)
#43阿部剛(1)
#16菅井毅(1)
#14神西賢一(1)
#21山本健嗣(1)

*()は得点数

ゲームレポート

 この試合の勝者が全日本をも征す、と言われる関東会場の準決勝戦。昨年度優勝の慶應義塾大学と、3年前優勝のADVANCEの対戦となった。いずれも前日の1回戦を大差で勝利し、この試合に臨んだ。

  注目の試合はADVANCE#15吉田、慶應#11瀬田フェイスオフで始まる。開始1分、この試合には並々ならぬ意気込みで臨む瀬田が1on1で先制する。ADVANCEは固いディフェンスをするも、慶應の執拗なプレスライドになかなか自陣にボールを運べない。#14神西が再三のミドルシュートを打つもなかなか枠には決まらない。1Qは1−0慶應リードで終了。

  2Q、開始早々#22上村のフィードを#43赤いメットの阿部が落ち着いて決め、1−1の同点。2Qから出場のADVANCE/’98日本代表の#17嶋田が好セーブを連発するも、慶應はライドでパスミスを誘発し、ファーストブレイクから得点を狙う。#10満身創痍の小林のフィードを#16菅井が切れ込んで得点。その後も、ADVANCEが中を通すパスをことごとく慶應のロング陣がプレッシャをかけて防ぐ。ファーストブレイクによる攻撃、プレッシャーディフェンスなど、このあたりは慶應の持ち味が発揮される。中盤での熱いグランドボールに慶應の反則があり、このエキストラタイムに#9神田が目の覚めるようなサイドワインダーを決め、ADVANCEが追いつく。このあたりからADVANCEも固さがとれ始める。#9神田が慶應#9棚橋の必死のディフェンスをロールダッジで振り切って連取。ADVANCEのファールにつけ込む慶應はゴールポスト、嶋田の好セーブに阻まれ得点できず、流れを掴めない。2Q終了間際、ADVANCE#14神西がクリアからそのまま持ち込んで150km/h近い高速シュートを打ち込む。ここで4−2、ADVANCE2点リードで前半を折り返す。

 3Q、ADVANCEのボール支配が続く中、慶應ゴーリー#7中村が果敢にクリースを離れパスカットを試みる。ロングパスをつなぐクリアからセットプレイで瀬田が1on1、2人を振り切り本日2点目を決める。相手エースの奮起に対するADVANCEの若きエース#9神田もお返しの左手シュートをゴール右隅に決める。13分には再び瀬田が1on1からシュート、両エース共に3得点で、5−4の1点差ADVANCEリードで最終第4Qを迎える。

 4Q、ADVANCEのクリア精度が落ちる中、慶應はリードされながらもポゼッションを守りジワジワと攻めつづける。ADVANCEもディフェンス中のアウトオブバウンズでタイムアウトを取るなど、必死に守りつづける。慶應はこの試合大活躍のADVANCE#9神田に対し、#30松永が早めのスライドをし、インバート状態の#11瀬田も守り切る。9分には#10小林のフィードを#21山本が同点ゴールを決める。慶應は#11瀬田のファールなどもありながら、必死に守りボールをつなげる。同点に追いつき、またも流れは慶應に。13分、#9神田は左上からの1on1でディフェンスを振り切り右手シュートを突き刺す。神田は一人でADVANCEを背負って立つような大活躍で、本日4点目を記録した。 17分、終了3分前にして慶應はタイムアウト、瀬田のゴール裏からの1on1で勝負をかけるも決まらず。ここで勝負ありかと思われるが、まるで台本があるかのようなシーンを迎える。ゴール前の混戦でADVANCE痛恨の2つのファールで2マンダウン。残り時間はわずかに30秒。残されたタイムアウトもなく、慶應のコーチはクロスチェックを要請。その間に慶應オフェンス陣は同点ゴールに願いを込め、プレイの確認。#3柴田のパスをカット、グランドボールになるが何とか慶應キープ。最後のシュートを放つも嶋田のファインセーブに阻まれ試合終了。 この瞬間、ADVANCEは3年ぶりの決勝進出を決めた。昨年度覇者、そして学生リーグでも圧倒的な力を誇った慶應は、無念の準決勝敗退。初の関東クラブチーム同士の決勝戦を迎えることとなった。

 臨海球技場においては観戦者のテンションも非常に高かったが、今の日本のラクロスを代表するであろうこの好ゲームを学生プレーヤー始めとする観戦者が少なかったのは残念だ。

(Text :Special Thanks 「Hero」)
(Photo :JLA Official Web Staff 海藤秀満/小城崇史with Nikon D1 Digital Camera)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子準決勝

日時:1999年12月12日(日)14:00 FaceOff
場所:京都・宝ヶ池球技場

VALENTIA(クラブチームリーグ2位)vs 神戸大学(関西学生リーグ1位)

スコア
チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
VALENTIA
0
3
6
1
10
神戸大学
2
3
2
1
8

得点者

得点者
VALENTIA
神戸大学
#43丸山伸也(4)
#19前田博樹(3)
#6村松哲周(1)
#4川崎修一(2)
#14山中淳司(1)
#5藤坂徹(1)
#16斎木健次(1)
#9谷口寛(1)
#37川上順久(1)
#26小室洋樹(1)
#42多賀谷淳一(1)
-
#91高橋浩平(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 昨日とはうって変わっての北風もおさまり、おだやかな日差しの降り注ぐ中全日本選手権準決勝、神戸大学対VALENTIAの試合が行われた。
 1Qまずペースをつかんだのは神戸大学だった。よく組織されたライドから流れを掴み、AT#19前田、#26小室が得点し2-0とした。

 2Qに入っても流れは変わらず、神戸大学が先に得点した。しかし、ここからVALENTIAの反撃が始まった。まずは#16斎木がこぼれダマを押し込み3-1。さらに連続攻撃から#6村松、#91高橋がシュートを決め同点に追いついた。しかしこの後、神戸大学も2点を取り5-3神戸大学リードで前半を折り返した。

 3Q開始早々、VALENTIAの点取り屋#43丸山がフィードを押し込み1点差。ここから徐々にVALENTIAが底力を見せ始めた。4連続得点を含む6得点。これに対し神戸大学も2点を返すもののVALENTIAはついに逆転に成功し9-7で3Qが終了した。

 4Qに入っても流れは変わらずVALENTIAが怒涛の攻撃を繰り返す。しかし、神戸大学ゴーリー#1有森が好セーブを連発し、ゴールを割らせない。この必死のディフェン スもVALENTIAの猛攻を押し返すには至らなかった。試合終了残り6分ついにVALENTIA に10点目が入った。その後神戸大学は死にもの狂いで相手ゴールに迫ったが、1点をもぎ取るのが精一杯。10-8。VALENTIAが神戸大学を下し、決勝戦に駒を進めた。

 審判員がキチンとファールを処理したこの試合、両チームにファールが多かったが、レベルの高いプレーが随所に見られ、準決勝にふさわしい試合だった。ただ、関西での会場だったこともありVALENTIAへの応援は極々わずか。神戸大学の大応援団の前で手にしたこの勝利は非常に大きく、決勝戦では「3度目の正直」が見られる気配を多いに感じさせられた。又、関西会場での最高の試合であったことは、球技場にいた者全員の素直な気持ちなのではないだろうか。この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチには1回戦7得点、準決勝4得点と関西で大暴れしたVALENTIA#43丸山伸也選手が選ばれた。

(Text :広報委員 田中聡)
(Photo :JLA Official Web Staff 山本昌宏)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・準決勝

日時:1999年12月12日(日)11:00 Draw
場所:東京・江戸川区臨海球技場

WISTERIA(クラブチームリーグ1位)vs 東京女子体育大学(関東学生リーグ1位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
WISTERIA
1
8
9
東京女子体育大学
4
1
5

得点者

得点者
WISTERIA
東京女子体育大学
#37Alison Powell(5)
#31村上好美(2)
#19高田静江(2)
#1小林絹枝(1)
#8中釜恵美(1)
#9山田美樹(1)
#14飯塚佳代(1)
#15高見真弓(1)

*()は得点数

ゲームレポート

 女子準決勝、WISTERIA vs 東京女子体育大学(以下、東女体)の「姉妹対決」である。全日本選手権では過去5回対戦しており、対戦成績はWISTERIAの3勝2敗である。

 前半、開始早々東女体村上が先制点を挙げ、続いて高貝、小林が決めて、東女体が3−0と幸先のいいスタートを切った。WISTERIAも「早く・速い」パス回しと鋭いカットインで東女体ゴールに襲いかかるが、ゴーリー大澤のナイスセーブが得点を許さない。WISTERIAの先制点は元イングランド代表アリソン・パウエルであった。ゴール裏からのパスをゴール正面でもらい、そのままシュートした。 しかしすぐに東女体・村上がゴール右上から鮮やかなカットインシュートを決めて3点差を保持した。前半を4-1で東女体のリードで終えた。

 後半、WISTERIAの反撃が始まった。 まず、アリソン・パウエルが2得点連続で決める。アリソン・パウエルのシュー トは自身の長身を行かし、高い打点からゴールに叩き付けられるシュートであり、日本人でこのようなシュートをプレーヤーはいないのではと思わされるようなものである。 アリソン・パウエルのシュートに続いて、高田がゴール前での短いパスを上手くキャッチ&シュートし、1点差に詰め寄る。 そして飯塚がフリーショットを決めてWISTERIAはあっという間に同点に追いつく。同点になった後、最初に得点したのはWISTERIAであった。ボールがゴール裏にあるという状況で WISTERIA選手は次々とカットインしパスをもらおうとする。そこで一瞬だけゴールの正面がきれいに開き、スペースが開いた時があった。ここにP中釜がカットインしてパスをもらいシュート。わずか数秒の出来事であったが印象に残った場面である。東女体は堀井・柳澤を中心にマンツーマンを基本とするディフェンスでWISTERIAのカットインを防ごうとする。しかし逆転し勢いに乗ったWISTERIAはアリソン・ パウエル、高田が見事なシュートで追加点を挙げ、徐々に差を広げていった。東女体も必死にボールを奪い、ゴールに持って行こうとするが、WISTERIAのダブル・トリプルディフェンス によって阻まれなかなかシュートに行けない。山田がなんとか1点を挙げるが、それ以上の反撃は出来なかった。逆にWISTERIAはまたまたアリソン・パウエルが決め、試合を決定的なものにした。 最後、東女体に反撃の機会があったがこれを行かすことが出来ず、試合終了。 WISTERIAが4連覇に向けてまた一歩近づいた。

(text :JLA Official Web Staff 宮口綾子)
(Photo :JLA Official Web Staff 小城崇史 with Nikon D1 Digital Camera)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・準決勝

日時:1999年12月12日(日)11:00 Draw
場所:京都・宝ヶ池球技場

MISTRAL(クラブチームリーグ2位)vs 甲南女子大学(関西学生リーグ1位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
MISTRAL
2
5
7
甲南女子大学
0
2
2

得点者

得点者
WISTERIA
甲南女子大学
#48山本伸子(2)
#10竹谷梢(1)
#53丹羽香里(2)
#石本智栄(1)
#9中本真由実(1)
-
#10杉崎有紀(1)
-
#44森山玲(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 快晴の京都宝が池球技場。
 試合前のMISTRALは、AWAYであることも前日の試合の疲れも感じさせない元気良さ。 一方の甲南女子もいつも通りのマイペース。お互いにリラックスしたムードで試合開始を迎えた。

 しかし試合は前半9分までお互い沈黙が続く。MISTRALはゴール裏へのタイトなディフェンスからボールを奪い、ゴールへと襲いかかるが、甲南女子はファールでしか止めることのできないスピードのある攻めでフリーシュートを多く得るが、どうしても決まらずにイライラが感じられた。2点がやっとの前半だった。甲南女子はパスを大きく展開して長くポゼッションを続けるものの、センター付近でのパスミスから何度もゴール前まで運ばれたが、不調の昨日とは違って好セーブを続ける小さな守護神#49G植田に助けられた。シュート数はほぼ互角の前半。終了の笛とほぼ同じに決まったゴールかと思われたシュートも、笛の後でノーゴール。ハーフタイムでの指示と切り替え次第では、試合の行方は全く分からないと思われた。

 後半、ドローコントロールは完全に甲南女子。しかしそれを思うようにキープできず、前半同様にシュートは放つものの、こちらは頼れる大きな守護神#2G奈良がことごとく止めてゆく。クリアがうまくハーフを越えられず、ゴール前のファールの減らない甲南女子に対してゴーリーも限界。後半12分が経過した時点で、4点を加えたMISTRAL。実に息の良く合った、かつ層の厚いチーム力で学生の若さを十分に跳ね返す勢い。そんな相手に甲南女子は打つ手が ない。そこから2点返すものの、残り時間はわずか。駄目押しとも言える7点目が入った時点で甲南女子のタイムアウト。修正するにはあまりにも遅すぎる決断だった。試合残り時間はたった3分。今年、今まで試合の終盤でリードされたことの無い甲南女子には、ここからの戦術は皆無だった。パスワーク、反則、スタミナ、選手層、そして数少ないチャンスを活かす勝負強さ。どれもに勝るMISTRALが完勝だった。

 甲南女子に試合中大事な時間帯を見極め、リズムを作るのを助けるコーチとそれに柔軟で迅速に対応できる能力さえ選手全員にあれば、勝機は確実にあった。やはり「経験」が結果を左右するのが、今のラクロスなのだろうか・・・。この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチにはMISTRAL#48山本伸子が選ばれた。

(text :JLA Official Web Staff 山本昌宏)
(Photo :広報部 加藤真司)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子1回戦

日時:1999年12月11日(土)11:00 FaceOff
場所:東京・江戸川区臨海球技場

ADVANCE(クラブチームリーグ1位)vs 立命館大学(関西学生リーグ2位)

スコア
チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
ADVANCE
3
3
3
4
13
立命館大学
1
2
0
3
6

得点者

得点者
ADVANCE
立命館大学
#3木田裕士(3)
#1喜島朋一(2)
#12大山健次(3)
#17青木裕(2)
#15吉田和義(2)
#7村上済(1)
#9神田秀之(2)
#65魚野富士夫(1)
#14神西賢一(1)
-
#44寺島健(1)
-
#43阿部剛(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 1Q、先制点を決めたのは立命館・喜島。しかし、先制点の後はADVANCEがゲー ムの流れを握る。木田のシュートを立命館ゴーリーがキープ、そのこぼれ球を阿部が拾いアシストパス、これを木田がシュートし同点。次のフェイスオフから吉田が独走シュート、ADVANCEが早くも逆転。その後もエキストラで木田がシュー ト、阿部が上村のシュートのこぼれ球をひろい決める・・・とADVANCEが優勢に試合を進めていった。

 2QもADVANCEのゲームといった感じの展開が続いた。神田がグランドボールから独走シュート5点目。小野寺がゴール前で隙間を縫うようなパス、これを吉田がシュートし6点目と徐々に差を広げていく。

 3Q、前半と違い長い間、点の入らない状態が続いた。ADVANCE・立命館両者の激しい攻防、その均衡を破ったのがやはりADVANCE、木田、大山とつないでシュート。ここから再びADVANCEの猛攻が始まった。 エキストラで木田が決め、ラスト1分にも神西が追加点を挙げる。その勢いのまま4Q最初にも#9神田がブレイクシュート。立命館もシュートを打つがなかなか決まらない。一方、ADVANCEは寺島が決め、大山が2点連続で決める。ラ スト、立命館は2点を挙げるが遅すぎた反撃であった。 結局13−5でADVANCEが準決勝へとコマを進めた。

(text :JLA Official Web Staff 宮口綾子)
(Photo :JLA Official Web Staff 西本公俊)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子1回戦

日時:1999年12月11日(土)14:00 FaceOff
場所:東京・江戸川区臨海球技場

慶応義塾大学(関東学生リーグ1位)vs 岡山大学(4地区戦1位/中四国リーグ1位)

スコア
チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
慶応義塾大学
3
6
3
4
16
岡山大学
1
0
0
1
2

得点者

得点者
慶応義塾大学
岡山大学
#3柴田直孝(3)
#76野貴史(1)
#13大吉直樹(3)
#33常川謙介(1)
#22伊藤諭(3)
-
#10小林智彦(1)
-
#52岩本祐介(1)
-
#18松永真之介(1)
-
#21山本健嗣(1)
-
#14岡本哲宗(1)
-
#4岡勇樹(1)
-
#15今関裕(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 関東会場での男子第2試合は、常勝・慶應と全日本選手権初出場、また初の中四国からの出場である岡山大学の対戦であった。本試合は、実力的には慶應の方が上と思われていただけに、どれだけ岡山大学が食い下がることが出来るかが見どころであった。

 試合開始。最初に得点したのは、岡山大学。大喜びする岡山大学であったが、慶應はすぐに逆転する。その後は慶應ペースになるものの、試合内容ほど得点差が広がらない。原因は、慶應が岡山を格下だと考えていたのか、集中力が欠けていると思わせる単純なミスが非常に目立った。特にシュートが決まらない。ミドルシュートは精度が低く、ゴール枠に行っても岡山ゴーリー・田中の好セーブに阻まれる。翌日のADVANCE戦に不安を残した。

 一方、岡山は、慶應相手にまともなクリアが出来ないと考えたようで、全て前にボールを転がし、アタック/ミディーに拾わせるという奇策を取ってきた。結果的に、ボールは大部分を慶應に拾われ、ほとんどが失敗であった。十分に練習を積んできた作戦とも思えず、詰めの甘さを感じ得ずにはいられなかった。チームとしては、スコアより個々人がどれだけ頑張れるかということに主眼をおいており、「頑張り表」の導入(写真参照)等、個人のモチベーションを高める工夫が取られているのが印象的であった。しかし、実力差は大きく、本大会出場の経験を中四国地区のおけるレベルアップに繋げるよう今後努力してもらいたい。

(text&Photo :JLA Official Web Staff 西本公俊)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子1回戦

日時:1999年12月11日(土)11:00 FaceOff
場所:大阪・舞洲公園運動場

神戸大学(関西学生リーグ1位)vs 名城大学(東海学生リーグ1位)

スコア

チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
神戸大学
4
2
5
2
13
名城大学
0
1
1
1
3

得点者

得点者
神戸大学
名城大学
#14北浦真(4)
#13畑村昌志(2)
#19前田博樹(4)
#19松本貴行(1)
#3北卓之(2)
-
#4川崎修一(2)
-
#25久保貴司(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 昨年の同会場・同時刻に行われた全日本選手権の1回戦と全くの同一カード。その時は16-4と惨敗した名城大は、今年こそ打倒神戸に燃えていた。

 1Q:名城大のファールによる神戸大エキストラ。神戸大#4川崎が最初にゴールネッ トを揺らした。 ここからすでに神戸大のペース。立て続けに3点を加え、4-0で1Qを終えた。

 2Qになり神戸大には余裕が出始めるかと思われたが、名城は1点を返す。しかし、そこで相手を調子に乗らせないのが今年の神戸大の強さである。要所で関西学生リーグ MVP#14北浦の得点と得点王AT#19前田がお得意のファストブレイクから得点を重ね、神戸大応援団のボルテージも上がった。

 3Q以降の後半は来期と明日を見据えた神戸大の若手起用となった。 名城大に反撃のチャンスもあったが、総合力で一枚も二枚も上手の神戸大には遠く及ばず、無念のタイムアップ。
 名城大は2年連続の大敗ではあるが、次こそは奮起に期待する。一方神戸大は「明日からが本当の勝負」とヘッドコーチ・一ノ瀬氏語るように、主力選手を温存できたのは大きい。”関西勢男子初の日本一”に向けて、順調に全日本選手権のスタートを切ったと言えるだろう。 ただ、神戸大本来のスピードを80分間出し続けなければ、厚く高いVALENTIAの壁は乗り越えられないだろう・・・ 。

(text :学生連盟西日本支部広報委員 橋本亮一)
(Photo :JLA Official Web Staff 山本昌宏)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・男子1回戦

日時:1999年12月11日(土)14:00 FaceOff
場所:大阪・舞洲公園運動場

VALENTIA(クラブチームリーグ2位)vs 東京大学(関東学生リーグ2位)

スコア

チーム
1st
2nd
3rd
4th
TOTAL
VALENTIA
4
5
3
5
17
東京大学
1
1
2
2
4

得点者

得点者
VALENTIA
東京大学
#43丸山伸也(7)
#5飯島弘崇(2)
#14山中淳司(3)
#13石川知彦(1)
#6村松哲周(2)
#15石田大輔(1)
#91高橋浩平(2)
-
#42多賀谷淳一(1)
-
#44横尾英典(1)
-
#99畠中克腎(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 時雨まじりの寒風の吹きすさぶ中、舞洲スポーツアイランドにて全日本選手権1回戦:東京大学対VALENTIAの試合が行われた。東京大学のヘッドコーチがVALENTIAに所属しており、東京大学がその豊富な情報を生かしてどの様にVALENTIAに対抗していくのかが注目された。

 しかし、試合は序盤からVALENTIAペースで進んだ。フェイスオフと激しいライドで完全にボールを支配し、東京大学にほとんど攻める時間を与えない。それに対して東京大学もゴーリー#2篠原の好セーブ等で必死のディフェンスを展開したが、いかんせん力の差がありすぎた。エキストラのチャンスを確実にものにし、 着々と加点していくVALENTIA。 対して東京大学は3Qこそはクリアがうまくつながり、ペースをつかみかけたものの、 自らのファールでそのつかみかけたチャンスを相手の流れに変えてしまう。 終わってみれば17対4。VALENTIAが準決勝進出を決めた。

 この試合、VALENTIAがフェイスオフとクリア、ライドを完全に支配したことで、東京大学に自由にポゼッションをさせなかったことが大きい。 明日の神戸大学との試合でも激しい熱戦を期待したい。

(text :学生連盟西日本支部広報委員 田中聡)
(Photo :JLA Official Web Staff 山本昌宏)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・女子1回戦

日時:1999年12月11日(土)11:00 Draw
場所:東京・江戸川区臨海球技場

WISTERIA(クラブチームリーグ1位)vs 武庫川女子大学(関西学生リーグ2位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
WISTERIA
4
3
7
武庫川女子大学
1
3
4

得点者

得点者
WISTERIA
武庫川女子大学
#33島田綾子(2)
#72植村陽子(2)
#19高田静江(2)
#35細見綾子(1)
#21家弓明子(1)
-
#26栗原忍(1)
-
#51川辺美穂子(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 結果は7−4でWISTERIAの勝利だったが、WISTERIAにとっては苦しい試合となった。両チームともミスが多く、主導権の握れないどっちつかずの試合内容。クラブチーム選手権の諸試合を観てきて、今年のWISTERIAは何か違うと感じていた。それはプレースタイルの違いでもあり、モチベーションの高さでもあった。プレースタイルは今までの日本のラクロスとは一味違い、アメリカとイギリスのラクロスを足して2で割ったようなプレーで、予想外の動きによく驚かされたものだ。

 しかし、今日の試合は違った。メンタル面では完全に武庫川女子大の勝利と言えよう。WISTERIAは、普段はパス回しが主体の攻め方をするが、なかなか得点できない焦りからか、1 on 1が目立った。そのためボールを保持する時間が長くなり、ワンサイドからの攻撃となってしまい、攻めるパターンを読まれていたと思う。シュートも数を打っていたわりにはいつものフェイントやナイスコースのシュートが見られず、そのままクリアー、ターンオーバーとなり、心身ともに苦しかっただろう。 また、パスキャッチミスが目立ち、ダウンボールを武庫川女子大がフォローしてそのままゴール、という場面が多かった。武庫川女子大は、チャンスを必ずものにしていた。特にダウンボールは武庫川女子大がほとんど制した。また、武庫川女子大の選手達は、予想以上に運動能力が高く、スピードも速かった。ただ、ボールを大事にしすぎてボールの保持時間が長くなったときは、 チェックでボールを落されてしまい、それを拾うことが出来ても、その時には流れが変わってしまった気がする。スピードの武庫川、技術のWISTERIAの対戦は、WISTERIAの試合経験の豊富さが勝因だったのではないだろうか。

(text :JLA Official Web Staff 小林輝美)
(Photo :JLA Official Web Staff 西本公俊)


 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・女子1回戦

日時:1999年12月11日(土)14:00 Draw
場所:東京・江戸川区臨海球技場

東京女子体育大学(関東学生リーグ1位)vs 福岡大学(4地区戦1位/九州リーグ1位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
東京女子体育大学
8
5
13
福岡大学
0
1
1

得点者

得点者
東京女子体育大学
福岡大学
#1小林絹枝(6)
#26箱田美和(1)
#15高見真弓(2)
-
#5田中麻紀(2)
-
#8柳沢有希子(1)
-
#10小澤晃子(1)
-
#9山田美樹(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 唯一、第1回大会開始以来の連続出場を果している東京女子体育大学(以下、東女体)。しかし、全日本選手権優勝のタイトルとはここ4年間縁が無く、現在の部員は誰一人として日本一のタイトルを手にしたことがない。そんな何としても優勝したい東女体の初戦の相手は4地区戦から勝ちあがってきた福岡大である。

 前半、先制点は東女体キャプテン小林、自陣ゴール前からゴールまで独走シュート。その後も東女体の展開が続いた。福岡はクリアから中村、久芳などが中心となってボールを運ぼうとするが、キャッチミスなどが響きなかなかシュートに結びつかない。東女体はゴール裏からゴール正面にカットしてきたアタックにパスを出しシュートという決めかたで柳澤、小林、高貝などが次々と決めていく。

 後半、最初は福岡がドローを取りボールを運びシュートを打つが久芳・大久保などがシュートを打つがゴーリー山下がナイスセーブ。その後両者とも今一つ攻めきれない展開が続いたが10分東女体・小林がゴール前のパスをシュート。ここで福岡が反撃に出る。ゴール裏から回ってきたボールを箱田がアンダーシュート、福岡初得点。しかし、すぐさま小林、田中、山田などが多彩な攻めによりシュート。終わってみれば東女体の圧倒的な勝利であった。

(text :JLA Official Web Staff 宮口綾子)
(Photo :JLA Official Web Staff 西本公俊)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・女子1回戦

日時:1999年12月11日(土)11:00 Draw
場所:大阪・舞洲公園運動場

甲南女子大学(関西学生リーグ1位)vs 金城学院大学(東海学生リーグ1位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
甲南女子大学
4
3
7
金城学院大学
3
2
5

得点者

得点者
甲南女子大学
金城学院大学
#33友田仁美(4)
#12筒井敦子(2)
#10竹谷梢(1)
#76原志希子(2)
#12田井佐永子(1)
#17浅野法子(1)
#57泰麗花(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 試合開始から積極的な攻撃で3-0とリードする甲南女子大学に対して、金城学院大も落ち着いたパスまわしでゴール裏までは運ぶものの、ラストパスへの精度が欠け、なかなか思うようには得点できない。ようやく、ロングパスを生かした攻撃で本来の勢いを取り戻し、シュートミスが目立ち流れが掴めない甲南女子大に4-3の1点差でくらいついて前半を終えた。

 後半、先行を切ったのは#33友田を中心に幅広い攻撃を展開した甲南女子大であっ た。ディフェンスをうまくかわせれば、得点は容易だった。しかし、タイトで攻撃的なディフェンスを繰り出す金城学院大の前に、全員攻撃から狭くなったオフェンスでパスミスを犯す甲南女子大は、幾度も一気にゴール前までボールを運ばれた。だが、どうしても同点には追いつけない金城学院大は大事なところでミスが目立つ。速いクリアとゴール裏を生かして強弱のあるゲームを展開させた甲南女子大とチームワークとシュートセンスも抜群の金城学院大。終わってみれば7-5。

勝った甲南女子大に喜びの笑顔は一切ない。このままでは明日に苦戦が強いられることを全員が感じていたからだ。「調子が悪かった」では済まされないトーナメントのこの大会。1点差でも2点差でも勝ちは勝ち。その勝ちから何を次に生かし、何を修正 していくかを考え実践する時間はあまりにも少ない。明日の勝利への鍵は、絶対に体力だけではない。もちろん経験だけでもない。

(text :関西強化部女子 山際友理)
(Photo :JLA Official Web Staff 山本昌宏)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・女子1回戦

日時:1999年12月11日(土)14:00 Draw
場所:大阪・舞洲公園運動場

MISTRAL(クラブチームリーグ2位)vs 日本体育大学(関東学生リーグ2位)

スコア
チーム
前半
後半
TOTAL
MISTRAL
4
3
7
日本体育大学
2
3
5

得点者

得点者
MISTRAL
日本体育大学
#48山本伸子(2)
#48江良綾子(2)
#53丹羽香里(2)
#87坂元英恵(2)
#6西雅子(1)
#11竹内沙織(1)
#17長岡良江(1)
-
#50成田真実子(1)
-

*()は得点数

ゲームレポート

 昨年のこの大会の関西会場での試合を思い出すと、クラブチームvs学生の対戦は、技術と体力の戦いだと思ったりもした。そんなラクロスの時代に終止符が打たれたのかとも思わせる試合が展開された。 MISTRAL対日本体育大学(以下、日体)は関東対決ながら今大会屈指の好カード。

 試合開始直後から、大変速いスピードでゲームは展開された。 先取点はMISTRAL#53丹羽だった。しかし、この後は日体#48江良が2連続得点と 2回生ながらチームを引っ張る存在感が感じられた。その後2対2になるものの日体ゴーリー#55國吉のファールにより無人ゴールへのフリーシュートや日体オフェンス時のゴール前のシュートにつながるラストパスの乱れによって、日体はバランスを失っていった。

 逆にMISTRALは決して多くないチャンスを確実に得点につなげていった。 シュートチャンスは日体に多かったものの、後半はMISTRAL地元関学出身#48山本とU-19代表・長岡の得点で突き放そうとするも、日体#87坂元のファストブレイクからと絶妙なパスからの#11竹内の得点で食らいついた。 しかし、前半に似たミスが続き追いつくチャンスがくる前に試合終了の笛は鳴った。 クラブチーム対学生の経験のギャップやスピードの違いは全く感じさせない試合は、 関西の地で関東のトップチームのレベルの高さを見せつけ、関西プレーヤーの心を震わせ、そして奮わせた。 私もその"ふるわされた”プレーヤーの一人である。

(text :学生連盟西日本支部広報委員 畚野真)
(Photo :JLA Official Web Staff 山本昌宏)

 

第10回記念ラクロス全日本選手権大会・4地区予選

日時:1999年11月20~21日
場所:広島県江田島青年の家グランド(男子)、広島県大垣町営グランド(女子)

参加チーム

所属地区
男子
女子
北海道
北海学園大学
北海学園大学
(エキシビジョン参加)
東北
東北大学
東北学院大学
中四国
岡山大学
川崎医療福祉大学
九州
福岡大学
(エキシビジョン参加)
福岡大学

大会ルール

・出場チーム:
  北海道/東北/中四国/九州の各地区公式リーグ戦に優勝した学生チーム
・大会形式:
  男女とも各地区代表4チームによるトーナメント方式。
  但し、エキシビジョン参加チームの勝敗は成績としてカウントしない。

スコア

1)1回戦
*男子

チーム
スコア
北海学園大学
6
東北大学
8

チーム
スコア
岡山大学
12
福岡大学
11

*女子

チーム
スコア
北海学園大学
9
福岡大学
6

チーム
スコア
東北学院大学
11
川崎医療福祉大学
6

2)決勝戦
*男子

チーム
スコア
岡山大学
(本選への出場権を獲得)
5
東北大学
4

*女子

チーム
スコア
川崎医療福祉大学
4
福岡大学
(本選への出場権を獲得)
6

3)3位決定戦
*男子

チーム
スコア
福岡大学
10
北海学園大学
3

*女子

チーム
スコア
北海学園大学
8
東北学院大学
7

(Report&Photo :JLA Official Web Staff 中村正規)