【日本ラクロスの四半世紀・第7回】 1991年・ラクロスフェアを開始

2012/03/28

 1991年(平成3年)
3月 第1回関東ラクロス新人戦を開催(1日~14日)
男子チーム数も増加し続け、すでに実施されていた女子新人戦を、男女合同開催での新人戦に形式変更して実施した。「男女がともに発展し続ける」という日本ラクロスならではの特性により、さらに競技の魅力が高まっていった。
4月 第1回ラクロスフェアを開催(4月22日~5月3日)
PARIS東京支社(4月22日~28日)ではラクロス資料展示やラクロスビデオ放映、新入生向けラクロス合同説明会を実施。臨海球技場(5月3日)では、ラクロス体験会や試合観戦会を実施した。
5月 第1回日本ラクロス協会会員総会を開催(東京、恵比寿・カレッジミュージアム)
第1回東西交流戦を開催(3日~26日、関東・関西会場、現・全国地区交流戦)
前年の第1回全日本選手権大会エキシビションで実施した『学生ラクロス東西交流試合』を発展させ、東日本と西日本の学生選手同士が、技術の交流とともに心の交流をすることを目的として実施された。

この大会は、1995年に全国地区対抗交流戦と改称された後、2001~2008年の間は休止されていたが、2009年に全国地区交流戦として再開され、他地区のチーム・選手との交流戦やホームステイを実施する貴重な場として、今に続いている。
6月 ラクロス議員連盟が発足(5日)
ラクロスを通じて、日米を初めとした国際親善・友好を推進することを目的の一つに掲げ、発足した。
ラクロス国際親善試合を、初めて関西会場で開催(15日~16日/京都・西京極陸上競技場)
女子の米・スターズアンドストライプスとカナダ・サウスフレーザー・フィールドラクロスクラブ、男子の19歳以下オーストラリア選抜が、高いレベルのプレーを関西の地で披露した。
また、女子日本選抜がサウスフレーザー・フィールドラクロスクラブとの対戦で5-8と善戦した。
10月 第1回クラブチームリーグ戦を開催(10月6日~11月30日、現・クラブチーム東日本リーグ戦)
男子は6チームが参加し、東京ラクロスクラブが優勝した。
女子は5チームが参加したが、全て学生チームであり、エキシビションとしての開催であった。
11月 東北大学にてラクロスフェアを開催(2日~4日)
東北地区初のチーム・東北大学[男子]が1990年9月にすでに活動を始めており、1991年4月には東北大学[女子]も活動を開始したことから、東北大学対関東選抜のエキシビションマッチが実施された。
ラクロスフェスティバル IN 名古屋を開催(3日~4日)
東海地区での普及第一歩となるこのイベントでは、愛知学院大学グラウンド・中京大学グラウンドにおいてエキシビションマッチを行った。またこのイベントに合わせて、愛知学院大学[男子・女子]にラクロス部が発足した。
12月 全日本選手権大会を初めて関西会場でも実施(7日~8日、金岡公園陸上競技場、1回戦・準決勝戦)
この後、毎年、関東・関西の両会場で開催し、東日本・西日本のそれぞれの地で国内最高峰の戦いが繰り広げられるようになった。
また、女子で、関西学院大学が関西勢として初めて全日本選手権大会で優勝した。
クラブチームが初めて全日本選手権大会に出場した。
出場したのは、クラブチームリーグ・男子優勝チーム(東京ラクロスクラブ)、3位チーム(横浜オールスターズ *2位チームは出場辞退)の2チームであった。
東京ラクロスクラブは1回戦で神戸大学を倒し、健闘を見せた。
この年の前後に、全国各地でラクロスの種が次々と芽を出してきている。

前年、男子ラクロスが活動を始めた東北地区は、この年から女子ラクロスも活動を始めていた。

東海地区は、11月のラクロスフェスティバルで愛知学院大学にラクロス部が発足すると、冬の間に南山大学[女子]、名城大学[男子・女子]、愛知淑徳大学[女子]と立て続けにチームが発足し、翌年には第1回リーグ戦を開始する。

九州地区でも、この年の冬にラクロスが上陸すると、春までの短い期間に福岡大学・西南学院大学・第一経済大学を中心に急速に広がり、翌年の11月には早くもリーグ戦開催を実現した。
また沖縄でも、1992年に琉球大学女子ラクロス部(琉球大ドルフィンズ)が結成され、沖縄キリスト教学院短期大学と一緒に練習を始めている。

どこかで誰かが練習すると聞けば、他校にお邪魔して一緒に参加させてもらうことも良く見られる光景で、選手たちの「もっとラクロスを楽しみたい」という貪欲な姿勢が、ラクロスの全国への広がりを後押ししていた。

 ラクロスの魅力を伝える「ラクロスフェア」
これまで、ラクロス未経験者に対する活動として、普及部を中心として「ラクロス広場」を開催していた。
その中では、希望者を対象として行われたラクロス体験会や、非経験者社会人・新規大学チームを集めて行った練習会など、多岐に渡る活動が行われた。

この活動の集大成ともいえるラクロスフェアでは、「大学新入生にラクロスをもっとよく知ってもらって体験してもらう場」と、「一般の人にラクロスというスポーツをもっと知ってもらう場」として、学生たちが中心となって実施した。
この年、関西で開催されたラクロスフェスティバル(4月14日、27日)においても、ラクロス体験会が実施され、以後、全国各地区でラクロスフェアは積極的に実施されるようになる。

ラクロスフェアの拡がりは、「自分達の環境は常に自分達で整える」という日本ラクロスの精神を表すことともなった。
第1回ラクロスフェアラクロスフェスティバル
[左:ラクロスフェア(関東)のチラシ / 右:ラクロスフェスティバル(関西)のチラシ]

ラクロス体験会1ラクロス体験会2
ラクロス体験会3ラクロス体験会4
[ラクロスフェアでのラクロス体験会の風景]

 クラブチームリーグがスタート。社会人ラクロスの土台作りへ
第1回クラブチームリーグ戦には、社会人チームの東京ラクロスクラブ、東京大学OBを中心としたBlue Bulletsの他、新しくラクロスを始めた学生を中心に結成されたチームが多く参加した。

[男子]
横浜オールスターズ(神奈川大・横浜国立大)、Dreamers(淑徳大・高千穂商科大・明星大・テンプル大・東京情報大)、東京ラクロスクラブ(社会人)、Bullets(東京経済大・聖学院大・北里大)、Maple Leafs(国士舘大・日本体育大)、Blus Bullets(東京大OB中心)
[女子]
Maple Leafs(国士舘大・国士舘短期大)、Prese's(聖徳大)、Feets(聖学院大・神奈川大・桐朋学園短期大)、PREPPY(東京学芸大・国立音楽大)、Pomme(拓殖大・拓殖短期大・横浜国立大)

第1回クラブリーグパンフレット全日本選手権大会にクラブチームが初出場
[左:第1回クラブチームリーグ戦大会パンフレット / 右:全日本選手権大会にクラブチームが初出場]

 東西で切磋琢磨する環境
国際親善試合・全日本選手権大会を初めて関西会場で開催するとともに、東西交流戦も始まり、東日本・西日本を通して切磋琢磨する環境が、急速に整えられていった。
関西初開催の国際親善試合1関西初開催の国際親善試合2
[左右:関西会場で初めて開催された国際親善試合]

関西初開催の全日本選手権関西勢として全日本選手権初優勝
[左:関西会場で初開催となった全日本選手権 / 右:関西勢として初めて全日本選手権で優勝した関西学院大学]

関西初開催の全日本選手権東西交流戦
[左:関西会場で初めて開催された全日本選手権 / 右:東西交流戦での試合風景]

 大会結果
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第3回ラクロス国際親善試合 豪・U19
AUSTRALIA NATIONAL TEAM
米・STARS AND STRIPES
カナダ・SOUTHFRAZER FIELD LACROSSE CLUB
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第2回ラクロス全日本選手権大会 慶應義塾大学 関西学院大学
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第4回関東学生ラクロスリーグ戦 慶應義塾大学 東京女子体育大学
第2回関西学生ラクロスリーグ戦 関西学院大学 関西学院大学
第1回クラブチームリーグ戦
(現・クラブチーム東日本リーグ戦)
東京ラクロスクラブ (エキシビション開催のみ)

『第8回 1992年・日本代表の挑戦』 へ続く

『Japan Lacrosse History ~日本ラクロスの四半世紀~』 記事一覧に戻る





2012全国大会