【日本ラクロスの四半世紀・第12回】 1996年・世界大会を初めて日本で開催

2012/05/02

 1996年(平成8年)
3月 Teen's Lacrosse Community 発足。
日本人選手として初めて、吉留太郎選手(DF・バックネル大学)がNCAAディヴィジョン1でプレーする。
4月 ラクロスフェスタ’96が開催。
新たに九州地区も会場とし、5地区(関東・関西・東海・東北・九州)での開催となった。
Teen'sCup'96春(第1回Teen'sCup春大会/関東女子中高生ラクロスリーグ戦)を開催(28日~5月6日)
ラクロスフェスタ(関東地区)の一行事として実施し、9チームが参加した。
決勝戦は、クラッシャーズ(慶應女子高)がグリフィンズ(国本女子高)を下し、優勝した(5月6日、東京・駒沢オリンピック公園第2球技場)
6月 日本ラクロス協会10周年(4日)
北海道で初めての男子公式戦を実施(30日、札幌・豊平川河川敷グラウンド)
第1回JAPAN CUP'96の予選として、北海学園大・北海道大の試合を行い、北海学園大が勝利した。
8月 第3回ILF男子19歳以下世界大会を開催(4~11日、東京・江戸川区陸上競技場、参加5ヶ国)
日本ラクロスがそれまで育んできた力を結集し、一人ひとりのラクロス関係者が互いに協力して作り上げた、日本における過去最大の大会であった。
第1回JAPAN CUP開催(6~9日、東京・江戸川区内)
世界大会のエキシビションとして実施し、男女とも日本体育大学が優勝した。
また、この関東地区予選として、第1回ルネサンスオープンを開催した(福島・棚倉町、1998年以降は単独大会として開催)
ラクロスクラブチームトーナメント開催(決勝戦:10日、東京・江戸川区陸上競技場)
世界大会のエキシビションとして実施し、クラブチームを対象とした初の全国規模の大会であった。
東北・関東・東海・関西から、男女計18チームが参加し、男子・東日本ラクロスクラブ、女子・WISTERIAが優勝した。
12月 第7回全日本選手権大会にて、男女とも、クラブチームが初めて日本一の栄冠に輝いた。
(決勝戦:15日、東京・江戸川区陸上競技場)
女子決勝戦は、前半2-6で東京女子体育大にリードを許したWISTERIAが、後半一挙に7点をあげ、9-6で勝利した。
男子決勝戦は、ADVANCE-HANGLOOSEが関西学院大に対し終始リードを奪い、11-4で優勝した。

 日本で初めてとなる大規模な祭典、男子19歳以下世界大会
19歳以下日本代表は敗れた。しかし、ラクロス関係者を中心に多くの人が会場を訪れた。

参加選手団5ヶ国計199名。審判団計11名。来日各国応援団約200名。エキシビション・イベント参加者7,428名。観客総数42,850名。協賛協力31団体。メイン会場1、サブ会場12。大会スタッフ253名。OB・OGスタッフ延べ6,000名。大会準備期間37ヶ月。運営準備期間4ヶ月。実施17日間。

この大会は、日本ラクロスがこの10年間に育んできた力を結集して行われた、過去にない規模の祭典であった。
男子決勝戦男子日本代表
男子日本代表1日本代表2
[左上:決勝戦 / 右上・左下・右下:男子19歳以下日本代表]

開会式開幕戦
[左:開会式 / 右:開幕戦。審判員の1人を小山審判員が務めた]

会場入口会場モニュメント
会場風景1会場風景2
会場風景3会場風景4
[会場風景]

審判団オフィシャルスタッフ
[左:審判団。日本からは小山審判員・源審判員が派遣された / 右:審判員資格保有者がオフィシャルを務めた]

閉会式1
閉会式2閉会式3
閉会式4プレゼンテーション・ディナー
[閉会式、プレゼンテーションディナー]

大会スタッフ1大会スタッフ2
[大会スタッフ]

 中高生のラクロスがスタート
3月に発足したTeen'sLacrosseCommunityは、「皆が皆のために皆で作るラクロスコミュニティ」をスローガンに、Teen'sCup(女子中高生大会)や女子中高生向け練習会の開催など、ラクロスを始めたいと思う中高生のサポートを進めていった。
Teen'sLacrosseCommunityTeen'sCup秋パンフレット
[左:ラクロスフェスタでのTeen's練習会 / 右:Teen'sCup秋大会パンフレット]

 NCAAへの挑戦
1993年のアメリカキャンプ、1994年の国際親善試合でバックネル大学から誘いを受けた吉留太郎選手は、1996年1月にバックネル大学に入学。NCAAの試合に出場し、日本人として初のディビジョン1プレイヤーとなった。
吉留め選手1吉留め選手2
[左:1994年国際親善試合での吉留選手(中央、#26) / 右:バックネル大学での吉留選手(左側)]

 クラブチームが初めて日本一の栄冠へ
女子は、WISTERIAが、クラブチームとして初めて日本一の座についた。
関西学院大との1回戦を10-2で勝利すると、準決勝戦は学習院大の追い上げに苦しんだものの5-4で勝ち、決勝戦では東京女子体育大に7-6の逆転勝ちをおさめ、女子クラブチームとして初優勝を果たした。

男子は、ADVANCE-HANGLOOSEが、1回戦・早稲田大に9-4、準決勝戦・同志社大に16-6と大差で勝利すると、関西学院大との決勝戦でも11-4と大差をつけ、男子クラブチームとして初優勝を果たした。
女子決勝戦男子決勝戦
[左:女子決勝戦 / 右:男子決勝戦]

 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第3回ILF男子19歳以下世界大会 USA 総合5位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第8回ラクロス国際親善試合
(世界大会エキシビション)
S.D.C COACHES ALL MARYLAND HIGH SCHOOL
S.D.C COACHES
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第7回ラクロス全日本選手権大会 ADVANCE-HANGLOSSE WISTERIA
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第2回北海道ラクロスリーグ戦 北海学園大学 北海学園大学
第3回東北ラクロスリーグ戦 東北大学 東北学院大学
第9回関東学生ラクロスリーグ戦 早稲田大学 学習院大学
第5回東海学生ラクロスリーグ戦 愛知大学 金城学院大学
第7回関西学生ラクロスリーグ戦 関西学院大学 甲南女子大学
第4回中四国ラクロスリーグ戦 岡山大学・愛媛大学
(両校優勝)
川崎医療福祉大学
第5回九州ラクロスリーグ戦 福岡大学 福岡大学
第6回クラブチーム東日本リーグ戦 ADVANCE-HANGLOSSE WISTERIA
第3回クラブチーム西日本リーグ戦 ナニワラクロスクラブ 神戸ラクロスクラブ
中高生大会           優勝(女子)
第1回Teen'sCup春大会   クラッシャーズ(慶應女子高等学校)
第1回Teen'sCup秋大会   ブレイブユース(東京成徳短期大学附属高等学校)

『第13回 1997年・女子世界大会開催と新たな取り組み』 へ続く

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