【日本ラクロスの四半世紀・第16回】 1999年・史上初の4連覇達成

2012/06/01

 1999年(平成11年)
3月 機関誌「RELAX2」、「MAXI RELAX2」を経て、ラクロスマガジンジャパンが再刊。
4月 関東地区・関西地区にて、第1回プレミアリーグラクロストーナメントを開催。
 (関東:4月~5月、関西:4月~6月)
学生・クラブのトップチーム等が出場するカップ戦として実施された。
関東地区は、男子・19歳以下日本代表、VALENTIAの両チーム優勝、女子・世界ラクロスクラブが優勝した。
関西地区は、男子のみが開催され、HELPが優勝した。
 ※当時のフィールドレポート(関東大会)はこちらから (アーカイブページが開きます)
 ※当時のフィールドレポート(関西大会・決勝戦)はこちらから (アーカイブページが開きます)
6月
 
第1回日中親善ラクロス大会を開催(5~6日、北京体育大学内陸上競技場)
東北地区にて、初の国際親善試合を実施(13日、東北学院大学泉キャンパス)
男子戦の、米・Wesley大学 対 東北選抜の試合を実施した。東北選抜は5-15で敗れたが、より高い目標を得る機会となった。
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7月 第4回ILF男子19歳以下世界大会(2~10日、オーストラリア・アデレード、参加6ヶ国)に参加。
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9月 第2回IFWLA女子19歳以下世界大会(4~11日、オーストラリア・パース、参加7ヶ国)に参加。
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この大会では、坂本あずさ審判員が、日本の審判員として初めて世界大会(年代別)の決勝戦の審判員を務めた。
10月 国際交流強化プロジェクト(GO OUTSIDE)を開始
11月 第1回ラクロス全日本クラブ選手権大会を開催(20~28日、決勝戦:大井ふ頭中央海浜公園第2球技場)
男子は、全試合が接戦となるなか、ADVANCE-HANGLOOSEが優勝した。
女子は、WISTERIAが1回戦・決勝戦とも、大差をつけて優勝した。
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[出場:男子]ADVANCE-HANGLOOSE、HELP、VALENTIA、ナニワラクロスクラブ
[出場:女子]WISTERIA、神戸ラクロスクラブ、MISTRAL、FORZAラクロスクラブ
12月 第1回ラクロス全日本ユース選抜選手権開催(17~18日、東京・江戸川区臨海球技場、同陸上競技場)
第3回大会から開催されているエキシビションマッチは、4地区予選の開始に伴い、1998年は地区ユース選抜チームを主対象として行われ、そしてこの年から公式戦としての開催となった。
大会は、男子は関西ユース選抜、女子は関東ユース選抜が優勝した。
第10回記念全日本選手権大会を開催。
女子・WISTERIAが、大会史上初の4連覇達成した。
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この大会では、男子・岡山大学が、四地区予選を勝ち抜き、中四国地区のチームとして初めて全日本選手権大会の本戦へ出場した。
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 全日本選手権、史上初の4連覇達成
20世紀最後の全日本選手権大会は、決勝戦に進出した男女計4チームが初めてクラブチームで占められるという、クラブチームの快進撃を表す結果となった(男子:ADVANCE-HANGLOOSE、VALENTIA/女子:WISTERIA、MISTRAL)。

女子決勝戦は、3連覇中のWISTERIAに対し、この年WISTERIAに4戦4敗と苦しい戦いを強いられているMISTRALが挑んだ。試合は、延長戦(サドンビクトリー)にもつれ込む熱戦となったが、延長戦開始直後、WISTERIAが点を決め、男女を通じて全日本選手権大会史上初となる4連覇を達成した。
全日本選手権大会1全日本選手権4連覇
[左:女子決勝戦 / 右:大会史上初の4連覇を達成したWISTERIA]

全日本選手権2全日本選手権3
[左右:男子決勝戦]

 クラブチームの新しい試み
日本クラブチーム連盟が発足して10年目を迎え、クラブチーム連盟をに加盟するチームは増えるにつれ、同時に「クラブリーグ戦は自らの手で運営する大会である」という認識の乏しい選手が増え、役員やチーム代表者など一部の選手に運営作業の負担が偏ってしまっているという問題が徐々に大きくなってきていた。

第1回全日本クラブ選手権大会は、「日本一のクラブチームを決める」というだけでなく、「各クラブチームの一般選手も参加して運営を行う初めての大々的な大会」という点で、重要な意義があった。
大会本部長を務めた布施昌也氏は、大会終了後に以下のコメントを残している。
「クラブチームのみんなが大会運営に取り組むことによって、男女の交流など横のつながりが出始めてきた。初の試みとしては90点のできだと思う」
クラブ選手権1クラブ選手権2
[左右:多くのクラブチームの選手達が協力しあって、大会運営は行われた]

クラブ選手権3クラブ選手権4
[左:男子決勝戦 / 右:女子決勝戦]

 日本ラクロスの強化に向けた地道な取組み
1997年~1999年の国際大会での成績を通じ、日本ラクロスの競技力向上に向けた課題が明確になってきていた。

19歳以下世界大会では、男女とも厳しい結果となったものの、この選手たちの中から後の日本ラクロスを担う人材も生まれた。また、全日本ユース選抜選手権の開催、日中親善ラクロス大会の開催、国際交流強化プロジェクト(GO OUTSIDE)、など、将来に繋がる様々な施策が試みられ、日本ラクロスの強化に向け多くの種を蒔いた年となった。
女子U19世界大会女子U19世界大会2
[左右:女子19歳以下世界大会]

女子U19日本代表
[女子19歳以下日本代表]

男子U19日本代表
[男子19歳以下日本代表]

女子U19世界大会女子U19世界大会2
[左右:坂本あずさ審判員が、日本人として初めて、世界大会決勝戦の舞台で審判員を務めた]

 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第4回ILF男子19歳以下世界大会 USA 総合6位
第2回IFWLA女子19歳以下世界大会 USA 総合6位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第11回ラクロス国際親善試合 Wesley College Yale University
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第10回ラクロス全日本選手権大会 VALENTIA WISTERIA
第1回全日本クラブ選手権大会 ADVANCE-HANGLOOSE WISTERIA
第1回全日本ユース選抜選手権 関西ユース選抜 関東ユース選抜
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第5回北海道ラクロスリーグ戦 北海学園大学 北海学園大学
第6回東北ラクロスリーグ戦 仙台ラクロスクラブ 東北学院大学
第12回関東学生ラクロスリーグ戦 慶應義塾大学 東京女子体育大学
第8回東海学生ラクロスリーグ戦 名城大学 金城学院大学
第10回関西学生ラクロスリーグ戦 神戸大学 甲南女子大学
第7回中四国ラクロスリーグ戦 岡山大学 川崎医療福祉大学
第8回九州ラクロスリーグ戦 福岡大学 F.EMPRESS
第9回クラブチーム東日本リーグ戦 ADVANCE-HANGLOOSE WISTERIA
第6回クラブチーム西日本リーグ戦 HELP 神戸ラクロスクラブ
中高生大会 優勝(女子)
第4回Teen'sCup   ブレイブユース(東京成徳大学高等学校
第4回Teen'sCup関西   CHERRY'S(立命館宇治高等学校)

『第17回 2000年・アメリカから受け取った友情をアジアへ繋ぐ』 へ続く

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2012全国大会