第23回ラクロス国際親善試合・東京大会2(男子戦)
2012/07/19
日時:2012年6月30日(土) 19:30試合開始
場所:東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場
USA Starz[米・西海岸学生選抜](白) vs 関東ユース選抜(紺)
スコア (15分・4Q)
ゲームレポート
【1Q】
試合開始後、序盤は関東ユース選抜(以下、関東ユース)が攻める。#10岩井がフェイスオフからそのまま持ち込み、#12山崎がゴール左上からの1対1からシュートを放つなどの攻撃を展開する。しかし、先制点はUSA Starz。1分30秒、華麗なパス回しから最後は#8が冷静にシュートを決める。
その後、なかなか得点のない両チーム。9分には、関東ユース#4米嶋がマンダウンディフェンスで相手のシュートを体に受けるもその後のチェイスを獲り、関東ユースが気迫を見せる。ただ、またしても得点はUSA Starz。12分、#9が正面からの1対1を右に抜き、そのままシュートを決める。終了間際には、関東ユース#24京増がゴール裏から1対1を仕掛けるも、相手のゴーリーに阻まれ、得点ならず。1Qは2-0で終える。
【2Q】
開始わずか20秒でいきなりスコアが動く。USA Starz#4がゴール左下から中に持ち込み、最後はゴーリーとの1対1でフェイクを入れて冷静に得点。なんとか1点を取り返したい関東ユース。2分10秒には、#18山本がゴール左上からの1対1から相手をかわし、シュートを放つもゴールポストを直撃。なかなか得点を奪うことができない。
すると5分半、またしてもUSA Starz#4がゴール左下から中に切り込んでいき、シュートを決める。ここで、流れを変えたい関東ユースはタイムアウトを要求する。ただ、それでもUSA Starzの勢いは止まらない。タイムアウトあけの9分30秒、#3からのフィードを#14がゴール正面で受け、左の見事なアンダーシュートをゴールへ突き刺す。さらに、2Q終了間際USA Starz#12がゴール正面から右下へフィードを出し、最後は#9が相手DFをかわし得点。2Qを終え、6-0。関東ユースは6点のリードを許す苦しい展開となる。
【3Q】
なんとか巻き返したい関東ユース。開始40秒には、#16石川がゴール左上から1対1を仕掛けるも得点は奪えず。その後なかなか動きはなかったが、7分30秒に関東ユース#4米嶋のスラッシングのファールで得たエキストラマンオフェンスのチャンスで、USA Starz#2がゴール正面から強烈なアンダーシュートを放ち、得点。7-0となる。これ以上は離されたくない関東ユースは9分50秒、#18山本から#16石川につなぎ、シュートを放つもまたしてもゴールポストを直撃。惜しい場面が続く。
14分30秒、USA Starzの#12、#7が立て続けにシュートを放つも、関東ユースのゴーリー#2佐々木が好セーブを連発。4Qに向け、流れを変えるプレーとなった。
【4Q】
2分30秒、関東ユース待望の初得点が生まれる。USA Starzのパスミスによるルーズボールを#24京増がスクープし、前線へ持ち込むと最後は#21中澤が上手いシュートを決め、得点を奪う。
この得点から勢いに乗った関東ユースは6分、#11戸梶がゴール左横から豪快なスタンディングシュートを決め、7-2とする。11分50秒、関東ユース#21中澤がゴール左下からフィードを#18山本へ出し、スタンディングシュートを決め4点差。徐々に追い上げる。
終了間際には、#18山本が転倒しながらもシュートを放ちボールをゴールに入れるが、これはクリースバイオレーションのファールによりノースコア。結局、関東ユースは4Qの怒涛の反撃も及ばず、7-3のUSA Starzの勝利で試合終了となった。
試合のコメント(強化部)
今回、来日したUSA Starzを迎え撃つのは、関東地区の10ユース(3年生)と11ユース(2年生)の一部の選手。
11ユースは先日のHofstra大ともエキシビジョンゲームを行ったが、初めての外国チームとの対戦に、自分たちが取り組んできたこと・日本人の長所を活かすまでに至らず、戦う気持ち・姿勢という点で大きな反省を残していた。
今回は、2010関東ユース選抜をヘッドコーチとして指導し、2011関東ユース選抜、2012年の関東地区男子1年生強化活動でも指導を行う岩本祐介をヘッドコーチに、2012年度男子日本代表の選手でもある佐保田裕介、水田裕樹(いずれもFALCONS所属)、2011関東ユース選抜アシスタントコーチの高橋塁(Stealers所属)が、当日のコーチとして参戦した。
事前の練習等は一切なく、スポットでの招集となったため、選手間の連係・噛み合わせを模索するうちに、序盤からUSA Starzに得点を重ねられる。チームとして戦う上での共通認識は、個人・グループとして求められるシンプルなポイントであったが、前半はあまりいいところなく、得点0が続いた。
後半、ようやく、ゴール・ボールに向かう姿勢が現れはじめ、狙いどころの共有が図られたこともあって連続得点をするが、前半の失点が大きく響き、7-3での敗戦となった。
ポイントは次の5点。
・確実に決められるエリアでのシュート精度。
・次のプレーの予測と事前の視野。ゴール・仲間・敵の状況を事前に把握し、守備の薄いエリアを狙うこと。
・ディフェンスは攻撃の起点。ボールを奪って、ゴールまで繋げていくこと。ディフェンス時は、ボールキャリアに自由にプレーさせないためのプレッシャーをかけ、敵をコントロールすること。
・ルーズボールは、攻撃のチャンスである。ルーズボール局面では次の展開を予測した配置をし、グラウンドボールから攻撃チャンスに繋げていくこと
・それらを支える基礎スキル等(一例では、事前に視野(ゴール・仲間・敵)を取ることで、プレーに余裕を持たせる。ボールのもらい際で動く、等)
簡単に見える短い距離のパスも、「ここでそのパスが通れば得点、チャンス」、というところでパスがショートし攻撃が遅れる、お粗末な状況であった。シュートについても、依然、確実に決められるエリアでのシュートの精度が低い。目に見えぬ敵の重圧に対し、事前の視野取りでいかに余裕を持ってシュートを狙えるか。
プレッシャーのある中でのシュート等「試合の中で活かせる基礎スキル」の訓練が足りていない、言い換えれば、いかにゲームで活きるシーンと関係の薄い練習をしているか、を物語っている。
試合後に、岩本ヘッドコーチから選手に対し、今後の課題が3点伝えられた。
(1)プレッシャーのある中でのミドルレンジでのシュート決定力
(2)次のプレーの予測と事前の視野(ゴール・仲間・敵)
(3)敵との間合い(オフェンス・ディフェンス時双方)を身につける
いずれもシンプルな項目ではあるが、現時点ではこれらが関東地区の大学生のトップ層であっても、浸透しているとは言いがたい。
地区ユース選抜・日本代表での指導ポイントは、地区ユース選抜でのみ役立つそれではなく、どんなチームであっても基本として押さえておくべき内容であることを考えると、やはり日々のチームでの練習の質の向上、選手一人一人の意識向上が不可欠である。
ちなみに、上記のポイント・課題は、この6~7月に、菅平で実施された関東地区フレッシュマンキャンプでの1年生への指導内容とも変わらない内容である。
ただ、体格・経験・スティックスキルに勝る外国人選手を相手に、戦う気持ちをもって挑む選手が複数存在していることが確認できたことは大きな収穫だった。
この世代は、2013年のアジアパシフィック選手権大会に出場する22歳以下日本代表の中心を占めるメンバーとなる。
いずれは、この日、コーチとしてボックスに入った日本代表の佐保田・水田らを脅かす存在にならなければ、日本代表の世界大会での上位進出も叶わない。
貴重な経験をした今日のメンバーは、志、目線を高くもって、日々精進し、8月からのリーグ戦においても関東の学生選手を牽引していって欲しい。
(左:試合前のミーティング / 右:選手たちは最後までUSA Starzに挑んでいった)
*フォトギャラリーには他にもたくさんの写真を掲載していますので、ぜひご覧ください。
フォトギャラリー「第23回国際親善試合・東京大会2」はこちらへ
・Text(ゲームレポート):日本学生ラクロス連盟東日本支部 広報委員会info班・畠涼介(早稲田大学)
・Text(コメント):日本ラクロス協会強化部次長(関東地区)・市川弘康
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
場所:東京・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場
USA Starz[米・西海岸学生選抜](白) vs 関東ユース選抜(紺)
スコア (15分・4Q)
チーム
|
1Q
|
2Q
|
3Q
|
4Q
|
TOTAL
|
USA Starz
|
2
|
4
|
1
|
0
|
7
|
関東ユース選抜
|
0
|
0
|
0
|
3
|
3
|
【1Q】
試合開始後、序盤は関東ユース選抜(以下、関東ユース)が攻める。#10岩井がフェイスオフからそのまま持ち込み、#12山崎がゴール左上からの1対1からシュートを放つなどの攻撃を展開する。しかし、先制点はUSA Starz。1分30秒、華麗なパス回しから最後は#8が冷静にシュートを決める。
その後、なかなか得点のない両チーム。9分には、関東ユース#4米嶋がマンダウンディフェンスで相手のシュートを体に受けるもその後のチェイスを獲り、関東ユースが気迫を見せる。ただ、またしても得点はUSA Starz。12分、#9が正面からの1対1を右に抜き、そのままシュートを決める。終了間際には、関東ユース#24京増がゴール裏から1対1を仕掛けるも、相手のゴーリーに阻まれ、得点ならず。1Qは2-0で終える。
【2Q】
開始わずか20秒でいきなりスコアが動く。USA Starz#4がゴール左下から中に持ち込み、最後はゴーリーとの1対1でフェイクを入れて冷静に得点。なんとか1点を取り返したい関東ユース。2分10秒には、#18山本がゴール左上からの1対1から相手をかわし、シュートを放つもゴールポストを直撃。なかなか得点を奪うことができない。
すると5分半、またしてもUSA Starz#4がゴール左下から中に切り込んでいき、シュートを決める。ここで、流れを変えたい関東ユースはタイムアウトを要求する。ただ、それでもUSA Starzの勢いは止まらない。タイムアウトあけの9分30秒、#3からのフィードを#14がゴール正面で受け、左の見事なアンダーシュートをゴールへ突き刺す。さらに、2Q終了間際USA Starz#12がゴール正面から右下へフィードを出し、最後は#9が相手DFをかわし得点。2Qを終え、6-0。関東ユースは6点のリードを許す苦しい展開となる。
【3Q】
なんとか巻き返したい関東ユース。開始40秒には、#16石川がゴール左上から1対1を仕掛けるも得点は奪えず。その後なかなか動きはなかったが、7分30秒に関東ユース#4米嶋のスラッシングのファールで得たエキストラマンオフェンスのチャンスで、USA Starz#2がゴール正面から強烈なアンダーシュートを放ち、得点。7-0となる。これ以上は離されたくない関東ユースは9分50秒、#18山本から#16石川につなぎ、シュートを放つもまたしてもゴールポストを直撃。惜しい場面が続く。
14分30秒、USA Starzの#12、#7が立て続けにシュートを放つも、関東ユースのゴーリー#2佐々木が好セーブを連発。4Qに向け、流れを変えるプレーとなった。
【4Q】
2分30秒、関東ユース待望の初得点が生まれる。USA Starzのパスミスによるルーズボールを#24京増がスクープし、前線へ持ち込むと最後は#21中澤が上手いシュートを決め、得点を奪う。
この得点から勢いに乗った関東ユースは6分、#11戸梶がゴール左横から豪快なスタンディングシュートを決め、7-2とする。11分50秒、関東ユース#21中澤がゴール左下からフィードを#18山本へ出し、スタンディングシュートを決め4点差。徐々に追い上げる。
終了間際には、#18山本が転倒しながらもシュートを放ちボールをゴールに入れるが、これはクリースバイオレーションのファールによりノースコア。結局、関東ユースは4Qの怒涛の反撃も及ばず、7-3のUSA Starzの勝利で試合終了となった。
試合のコメント(強化部)
今回、来日したUSA Starzを迎え撃つのは、関東地区の10ユース(3年生)と11ユース(2年生)の一部の選手。
11ユースは先日のHofstra大ともエキシビジョンゲームを行ったが、初めての外国チームとの対戦に、自分たちが取り組んできたこと・日本人の長所を活かすまでに至らず、戦う気持ち・姿勢という点で大きな反省を残していた。
今回は、2010関東ユース選抜をヘッドコーチとして指導し、2011関東ユース選抜、2012年の関東地区男子1年生強化活動でも指導を行う岩本祐介をヘッドコーチに、2012年度男子日本代表の選手でもある佐保田裕介、水田裕樹(いずれもFALCONS所属)、2011関東ユース選抜アシスタントコーチの高橋塁(Stealers所属)が、当日のコーチとして参戦した。
事前の練習等は一切なく、スポットでの招集となったため、選手間の連係・噛み合わせを模索するうちに、序盤からUSA Starzに得点を重ねられる。チームとして戦う上での共通認識は、個人・グループとして求められるシンプルなポイントであったが、前半はあまりいいところなく、得点0が続いた。
後半、ようやく、ゴール・ボールに向かう姿勢が現れはじめ、狙いどころの共有が図られたこともあって連続得点をするが、前半の失点が大きく響き、7-3での敗戦となった。
ポイントは次の5点。
・確実に決められるエリアでのシュート精度。
・次のプレーの予測と事前の視野。ゴール・仲間・敵の状況を事前に把握し、守備の薄いエリアを狙うこと。
・ディフェンスは攻撃の起点。ボールを奪って、ゴールまで繋げていくこと。ディフェンス時は、ボールキャリアに自由にプレーさせないためのプレッシャーをかけ、敵をコントロールすること。
・ルーズボールは、攻撃のチャンスである。ルーズボール局面では次の展開を予測した配置をし、グラウンドボールから攻撃チャンスに繋げていくこと
・それらを支える基礎スキル等(一例では、事前に視野(ゴール・仲間・敵)を取ることで、プレーに余裕を持たせる。ボールのもらい際で動く、等)
簡単に見える短い距離のパスも、「ここでそのパスが通れば得点、チャンス」、というところでパスがショートし攻撃が遅れる、お粗末な状況であった。シュートについても、依然、確実に決められるエリアでのシュートの精度が低い。目に見えぬ敵の重圧に対し、事前の視野取りでいかに余裕を持ってシュートを狙えるか。
プレッシャーのある中でのシュート等「試合の中で活かせる基礎スキル」の訓練が足りていない、言い換えれば、いかにゲームで活きるシーンと関係の薄い練習をしているか、を物語っている。
試合後に、岩本ヘッドコーチから選手に対し、今後の課題が3点伝えられた。
(1)プレッシャーのある中でのミドルレンジでのシュート決定力
(2)次のプレーの予測と事前の視野(ゴール・仲間・敵)
(3)敵との間合い(オフェンス・ディフェンス時双方)を身につける
いずれもシンプルな項目ではあるが、現時点ではこれらが関東地区の大学生のトップ層であっても、浸透しているとは言いがたい。
地区ユース選抜・日本代表での指導ポイントは、地区ユース選抜でのみ役立つそれではなく、どんなチームであっても基本として押さえておくべき内容であることを考えると、やはり日々のチームでの練習の質の向上、選手一人一人の意識向上が不可欠である。
ちなみに、上記のポイント・課題は、この6~7月に、菅平で実施された関東地区フレッシュマンキャンプでの1年生への指導内容とも変わらない内容である。
ただ、体格・経験・スティックスキルに勝る外国人選手を相手に、戦う気持ちをもって挑む選手が複数存在していることが確認できたことは大きな収穫だった。
この世代は、2013年のアジアパシフィック選手権大会に出場する22歳以下日本代表の中心を占めるメンバーとなる。
いずれは、この日、コーチとしてボックスに入った日本代表の佐保田・水田らを脅かす存在にならなければ、日本代表の世界大会での上位進出も叶わない。
貴重な経験をした今日のメンバーは、志、目線を高くもって、日々精進し、8月からのリーグ戦においても関東の学生選手を牽引していって欲しい。
(左:試合前のミーティング / 右:選手たちは最後までUSA Starzに挑んでいった)
*フォトギャラリーには他にもたくさんの写真を掲載していますので、ぜひご覧ください。
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・Text(ゲームレポート):日本学生ラクロス連盟東日本支部 広報委員会info班・畠涼介(早稲田大学)
・Text(コメント):日本ラクロス協会強化部次長(関東地区)・市川弘康
・Photo:日本ラクロス協会オフィシャルフォトグラファー・海藤秀満
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