第18回全日本クラブ選手権大会:準決勝(男子・東京会場)

2017/01/17

2016年11月19日(土)
東京都(品川区)・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場

FALCONS(ファルコンズ・白) vs ACL(エーシーエル・紺)

FALCONSACL
 
チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
FALCONS [東日本1位]
(ファルコンズ)
3 3 2 3 11
ACL [関西3位]
(エーシーエル)
2 1 3 3 9
得点者
FALCONS ACL
#5 石黒 哲雄 (3) #1 忠平 裕司 (2)
#13 橋本 立輝 (2) #99 尾木 孝文 (2)
#22 高橋 涼輔 (2) #4 川浪 直樹 (1)
#91 本下 純 (2) #10 大橋 克馬 (1)
#4 畠山 昂太 (1) #26 今井 晨介 (1)
#90 関根 幹祐 (1) #31 伊藤 圭祐 (1)
#42 井上 将徳 (1)
審判員
主審 志水 研太郎
副審 林 拓史
中野 弘己
CBO 源 学
ベンチマネージャー 田中 佑一郎
審判団

ゲームレポート
 午前中の雨も関西からの熱気とともにあがり、少し肌寒さを感じる中、大井ふ頭中央海浜公園第二球技場にて準決勝戦を行った。
 今年はアメリカ遠征でさらに力をつけた絶対王者FALCONS(以下、FAL)に挑戦するのは関西リーグ戦を圧倒的な強さで勝ち抜いてきた4年連続4度目の出場のACL。この大会で5年連続6回の優勝を誇るFAL。一方、その若さ&強さで王者FALを倒して、ACLが関西旋風を巻き起こせるのか。期待の一戦。

試合1試合2

1Q
 フェイスオフを制したのはFAL、ファーストシュートは#7夏目、それをACLのゴーリー(G)#18徳舛がセーブ、クリア後のファーストオフェンスでACL#1忠平が1対1からのランニングシュートを決め、ACLが先制する。
 試合開始1分30秒だった。

 1点を先制されるもFALは落ち着いたパス回しから、#13橋本のカットインシュートが決まりすぐに追いつく。
 徐々に主導権を握り始めたかに見えたFALだが、#91本下のフリーシュートをまたもACLのG#18徳舛が好セーブ、そこからFALのお株を奪うようなブレークで、#31伊藤のミドルシュートが決まり1-2。FALもフルフィールドオフェンスで応戦するが、シュートがなかなか決まらず、流れを掴めない。
 しかし、残り4分、ACLのクリアミスから#22高橋が決め2-2の同点とする。なんとか同点で終わりたかったACLだが、またも自陣でのミスをFAL#4畠山に奪われ、フルフィールドオフェンスから最後は#91本下が決め、3-2で1Q終了。

 ACLは自分たちのミスで2点を献上し、嫌なムードで1Qを終えたが、内容としては十分に戦える内容だった。

2Q
 気持ちを切り替えたいACLだが、ポゼッションはFAL、やはりFALが徐々に流れを掴んでいくのか。
 ここで交代したACLのG#51野本がゴール裏でパスカット、ボールを奪う。ACLのクリア時にFALにファールがあり、ACLがエキストラマンオフェンスのチャンスを得るも得点ならず。
 FALは再三にわたる決定機を逃すも、#90関根がゴール正面から決めて4-2、ここでACLのタイムアウト。タイムアウトで流れを変えたいACLだったが、グラウンドボールをFALに奪われると、FALは流れるようなパス回しから#22高橋がゴーリーとの1対1をきっちり決め5-2。

 ACLもフェイスオフブレークを作るが得点ならず、しかしFALのファールにより本日2回目のエキストラマンオフェンスを獲得する。このチャンスにACL#10大橋がトップから豪快なミドルシュートを決め5-3、まだまだ試合は分からない。
 FALもACLのオフサイドにより本日初のエキストラマンオフェンスを獲得。ここでシュートのこぼれ球を#5石黒が拾ってそのまま決めて6-3、なかなか点差が縮まらないない。2Qも残りわずかとなり、ポゼッションでタイムアウトを取り、1点を取りにいこうとしたACLだったが、FALディフェンダー陣の激しいプレッシャーにボールダウンされてしまい、そのまま2Q終了。

 前半は両チームとも堅いディフェンスで流れを掴みきれない状況だったが、相手のミスを確実に得点に繋げたFALが3点リードする形となった。しかし試合に勝つには十分な点差ではない。ACLにもまだまだチャンスはある。

試合3試合4

3Q
 後半開始はACLのポゼッションで始まった。ここでまたもファーストオフェンスで#1忠平が中に切れ込み、DFをかわしてシュートを決め、6-4。
 FALもフェイスオフのグラウンドボールを#18佐保田が拾いそのままシュートを撃つもゴール枠外、FALのポゼッションが続きACLは我慢のディフェンスとなる。FALの猛攻を凌ぎオフェンスチャンスを作ったACLだが、#4川浪のシュートも決まらず、FALにボールを奪われてしまう。この日幾度となくフルフィールドブレークを作り出してきたFALがまたもディフェンスコートからパスを繋ぎ、最後は#4畠山が冷静に決めて7-4。
 ACLも負けじとアタッカーの1対1を中心に攻め続け、#42井上がディフェンダーを背負った状態でアンダーシュートを撃ち、これが決まり7-5。

 残り10分、FALがブレークを作るが#90関根のシュートはゴーリーセーブ、ACLはここからのオフェンスチャンスを活かし、じっくり攻める。ボールを奪いたいFALは少々前のめりなディフェンスになる。そのプレッシャーをかいくぐったACLは#99尾木がゴール前でパスを受けシュート、これが決まり7-6、連続得点で勢いに乗るACL、ここでFALがタイムアウト。
 流れを変えたいFALだったが、ACLにボールを奪われブレークを作られてしまう。しかしここもFALディフェンス陣の激しいチェックによりボールダウンしてしまう。同点のチャンスを逃した直後、ACLのクリアミスをFALは逃さず、ゴール前の#5石黒が決めて8-6、2点差で3Q終了。

 3Q終わってもまだ両チームとも流れを掴めない大接戦となり、勝利の行方は試合終了のホイッスルが鳴るまで誰も分からない状況となった。
 
4Q
 試合も残り20分、最終Qのスタートは2点差を追い上げるACLがフェイスオフを制しオフェンスチャンスを得る、しかしFAL#0砂川のトリッキーなチェックでボールダウンしてしまう。FALはこのボールをシュートまで繋げるが、チェイスを奪われまたもACLのポゼッション、両チームターンオーバーを繰り返す中、FALのファールによりACLがエキストラマンオフェンスを獲得する。しかしこのチャンスもFALのDFにチェイスを取られ得点ならず。
 ACLの我慢のディフェンスが続く中、FAL#5石黒が一瞬のスキをついてゴール、9-6。残り10分で3点差。勝敗を分けるのは次の1点か。その1分後、FAL#91本下が気持ちのこもったシュートを決め、10-6、勝負あったかに見えた直後のフェイスオフをACL#26今井がフェイスオフブレークで自らシュートを決め、1点を返す。しかし王者FALCONS、#13橋本が1対1からゴーリーのポジショニングをよく見た技ありシュートですぐに突き放す。

 11-7、FAL4点リードのままFALのポゼッションが続き、時間だけが過ぎていく。お互い疲れが見えだしてきた中、ACLがクリアからゴール横でフリーになっていた#4川浪にパスが通り、これを決めて11-8、試合時間残り1分。
 ここでACLはタイムアウトを取る。1分で3点、いや4点をとる作戦が果たしてあるのか。このタイムアウトが追い上げムードに拍車をかける事ができるのか。

 その期待通り、タイムアウト明けのフェイスオフでまたも#26今井がフェイスオフブレークを作るが、得点ならず。しかし諦めないACLはゴール前の混戦から#99尾木が押し込み11-9。次のフェイスオフもACLが獲り、#1忠平がミドルシュートを撃つがゴール枠外、ここで試合終了のホイッスルが鳴った。

 両チームともDF陣のレベルの高いディフェンスで締まった試合となったが、相手のミスを確実に得点に繋げたFALに軍配が上がった。しかしこの試合で関西のチームのレベルの高さに驚くとともに、ACLには、来年こそは打倒関東の実現を果たしてもらいたい。


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試合5試合6
試合7試合8
試合9試合10
試合11試合12
試合13試合14


Text by 日本クラブチームラクロス連盟東日本支部・水上大輔(VALENTIA)
Photo by 日本ラクロス協会企画部長・保坂光信