【日本ラクロスの四半世紀・第9回】 1993年・全国に広がるラクロス
2012/04/11
1993年(平成5年) |
3月 |
第1回多摩ラクロスインターカレッジ選手権を開催(3月25日~4月25日、関東) 東京都によるキャンペーン「TAMAライフ21」の自主企画プログラムの一つとして開催された自主運営大会であり、多摩地域にキャンパスを持つ大学チーム(男子9校、女子10校)が参加した。 4月18日に実施された決勝戦は町田市立野津田公園陸上競技場で行われ、男子・帝京大学、女子・東京女子体育大学が優勝した。 [男子]法政大・一橋大・玉川大・中央大・成蹊大・国士舘大・明星大・帝京大・東京経済大 [女子]法政大・帝京大・明星大・東京家政学院大・東京女子体育大・白百合女子大・中央大・桜美林大・成蹊大・大妻女子大 |
第1回日豪チーム交流を開催。 オーストラリアから「KOALA LACROSSE CLUB(男・女)」が来日し、大阪・名古屋・東京にて、各チームと交流試合を行った(3月24日・大阪、3月29日・東海地区内、4月1日~4日・東京) 同時に、全日本強化選手団とのトライアルゲームも実施した(3月28日・京都・宝が池球技場、4月3日・東京・駒沢オリンピック公園第2球技場) |
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4月 |
日本で初となる、小学生によるソフトラクロスの試合を実施(25日、東京・昭和記念公園) 多摩ラクロスインターカレッジ選手権のエキシビションマッチとして実施した。 |
第1回ラクロスチャリティーコンサートを開催(28日、西国分寺・いずみホール、主催:ラクロス友の会) ラクロス友の会は、1992年12月に、選手の父母の有志を中心に発足したラクロスの進行・普及に対する支援をしていこうというボランティア集団である。 チャリティーコンサートは、以後、友の会が最も力をいれる催事として、毎年開催された。 |
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5月 |
ラクロスフェスティバル in 松山 を開催(9日、愛媛大学山越グラウンド) 四国で初めてとなるラクロス大会を実施した。 関西地区から、男子・大阪大、大阪経済大、女子・神戸ラクロスクラブが遠征。 男子は愛媛大・大阪経済大合同チームと大阪大との試合を、女子は、松山大・愛媛大・島根女子短期大・神戸ラクロスクラブによる紅白戦を行った。 |
第1回大阪地区交流戦を開催(5月16日~6月27日) 関西地区のチームが急増する中、大阪エリアのチーム(男子10チーム・女子16チーム)を対象に実施した。 |
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7月 |
第1回早慶ラクロス定期戦を開催(4日、神奈川・慶應義塾大学日吉陸上競技場、後援:日本ラクロス協会) 男子は3-1で早稲田大学が、女子は11-6で慶應義塾大学が勝利した。 |
8月 |
第4回IFWLA女子世界大会に参加(8月7日~14日、スコットランド・エジンバラ、参加8ヶ国) 最終成績は、8ヶ国中7位であったが、日本代表は世界大会初勝利をあげた。 |
この世界大会の運営には、日本から小出淑子審判員、大塚紀代子審判員が派遣され、他国審判員との交流や、審判員の知識・技術について多く学び、帰国した。 | |
9月 |
第3回クラブチームリーグ戦において、女子戦を公式開催で行う(過去2回はエキシビション開催) 決勝戦は、WISTERIA(社会人)がSCAMP(茨城大・常盤大・シオン短期大合同)を14-0で下し、優勝した。 |
この大会の男子戦は、社会人中心のリーグ戦と、大学生・高校生チームを対象とする新検見川リーグ(第1回新検見川杯)に分けて実施された。 第1回新検見川杯の参加チームは6チームで、優勝はJ.LINERSであった。 [出場チーム]ADVANCE-EMU(各大学合同)、J.LINERS(茨城大)、レッドインディアンズ(RED'S/千葉工業大・東京電機大・敬愛大)、TCA(法政大学第二高)、W.U.H(早稲田学院)、立、明(立教高・明星高) |
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10月 |
第1回ジュニアリーグ戦(関東短期大学リーグ戦)を開催(3日~31日) 女子16チームが参加した自主運営大会で、日本体育大学女子短期大学が優勝した。 [参加校]洗足学園短期大、東洋英和女学院短期大、立教女学院短期大、カリタス女子短期大、川村短期大、文京女子短期大、東京女学館短期大、桐朋学園短期大、 跡見学園短期大、日本体育大学女子短期大、成城短期大、淑徳短期大、鶴見大・鶴見短期大合同、東京女子大、東京学芸大、駒澤大 |
第1回東北・関東ラクロス交流戦を開催(30~31日、東北大学川内グラウンド) 関東地区から、男子・横浜国立大学、女子・明治大学が遠征。 仙台選抜チーム(男女)との試合を実施し、仙台選抜は女子戦は3-14、男子戦は1-4で敗れた。 |
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8月から開催されているクラブチームリーグ戦には、西日本地区・ナニワラクロスクラブも出場した。 前年に西日本地区で発足したナニワラクロスクラブは、当時1チームのみであった西日本地区を代表するクラブチームとして、東日本ブロック1位の東京ラクロスクラブと対戦した。 試合は、東京ラクロスクラブが5-4で勝利した(10月31日、東京・電気通信大学多摩川グラウンド) |
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11月 |
第1回中四国ラクロスリーグ戦を開催 (11月21日・松山大学御幸グラウンド、12月4日~5日・愛媛県総合運動公園補助競技場・多目的広場) 男子3チーム、女子6チームが参加し、11月21日に女子1試合、12月4日~5日に、エキシビション(男子紅白戦)を含む18試合を実施した。大会は、男子・山口大学、女子・川崎医療福祉大学が優勝した。 [男子]愛媛大、島根大、山口大 [女子]岡山大、川崎医療福祉大、島根女子短期大、聖カタリナ大・短期大合同、松山大・愛媛大合同、山口大・山口女子大合同 |
12月 |
ラクロス全日本選手権大会に、初めて女子クラブチームが出場した。 東日本代表としてWISTERIA、西日本代表として神戸ラクロスクラブが出場し、ともに1回戦敗退となったが、将来の女子クラブチームの隆盛に続く第一歩となった。 |
地方チーム懇親会を開催(10日、東京・ラクロス協会事務所) 東北・東海・中四国・九州の各地区内における、普及・リーグ戦の開催・学生連盟支部創設に向けた情報交換を目的として実施した。 |
世界大会での日本代表初勝利 |
女子日本代表の世界大会での初めての試合は、8月7日のスコットランド戦で、5-13の敗戦だった。
その後も、苦しい戦いが続いたが、大会最終日となる8月14日の7位決定戦において、同じく初出場のチェコ共和国を20-3で下し、男女を通じて日本代表の世界大会初勝利をあげた。
[左:初勝利をあげた日本代表 / 右:女子日本代表の世界大会での初めての試合]
[左:コニー・ランゼルHC / 右:女子日本代表・海外遠征(3月)]
[左右:日本代表トライアルゲーム(東京・駒沢オリンピック公園第2球技場)]
全国各地に広がるラクロス |
関東・関西・東海の3地区内では「第1回日豪チーム交流」を開催した。
これは、それまで行われてきた個人参加の海外キャンプや日本代表の海外遠征と異なり、チーム単位の遠征交流であり、日本とオーストラリアのチーム同士が、試合・ホームステイを通じて交流し、友好を深めていくことを目的に実施した。
まず、日本から、白百合女子大・近畿大(女子)が、約2週間の間、パース・アデレード・メルボルンの各地でホームステイを経験しながら、現地の学生チーム・クラブチームとの試合やクリニック、練習見学などを行った。
その後、オーストラリアチーム「KOALA LACROSSE CLUB(男・女)」が、2校とともに一旦香港に立ち寄り、デモンストレーションゲームやコーチングを行った後、来日して、関東・関西・東海の3地区で試合・クリニック・レセプション等を行った。
[左右:東海地区での大会風景(交流戦・クリニック)]
また、東北地区では、日本学生ラクロス連盟東北支部準備会による、「第1回東北・関東ラクロス交流戦」を実施した。
関東地区から、理事長・事務局長・男女強化部長・男子審判部長らと、横浜国立大学(男子)・明治大学(女子)が参加し、東北支部準備会の選手たち116名と交歓会・交流戦を実施した。
交流戦は関東地区チームが勝利したものの、翌年の東北リーグ戦の開催に向け弾みがつくこととなった。
[上:交流戦参加者・キャンパス内設置の看板 / 下:試合風景]
中四国地区では、四国で初めてとなるラクロス大会「フェスティバル in 松山」を開催するとともに、「第1回中四国ラクロスリーグ戦」も実施した。
5 月に開催したフェスティバルでは、関西地区から、男子・大阪大、大阪経済大、女子・神戸ラクロスクラブが遠征し、試合等を行った。四国地区のチームはまだ 規模が小さく、単独では試合を行うのもままならぬ状況であったが、大阪経済大の選手が愛媛大チームに加わったり、女子は全チーム合同による紅白戦形式にすることで、四国地区で初めてのラクロス試合が実施できることとなった。
そして、11月には、これら四国地区のチームも参加して、第1回中四国リーグ戦を開催する運びとなった。
[左:フェスティバル in 松山の配布紙 / 右:中四国リーグ戦(撮影:第2回大会[岡山会場])
12月の全日本選手権には、女子クラブチームも初めて出場した。
また、大会のエキシビションでは、東北・東海・中四国・九州の各地区のチームが関東・関西地区のチームと試合を行った。それらの地区のチームは、ラクロスに関する情報の不足や、簡単に試合を行うことも難しい環境の中にいるにも関わらず、エキシビションで関東地区のチームに勝利するチームもあった。
それらの地区では、各地区内での普及活動・リーグ戦開催・学生ラクロス連盟支部創設などに向けた準備も進められており、協会活動の情報をを知りたいという要望もあったことから、「地方チーム懇談会」が催された。エキシビションに参加した各地区の代表者、出場チーム主将、および事務局各部長が集まり、各地区・各チームからの活動状況報告と、事務局各部からの活動報告、またそれらに対する質疑応答が行われた。
[左:全日本選手権大会に女子クラブチームが初出場 / 右:地方チーム懇談会]
自分たちの手で大会を作る選手たちの試み |
「第1回多摩ラクロスインターカレッジ選手権」は、多摩地域にキャンパスを持つ大学チームの大学間ネットワーク形成を目的に、参加校の選手たちで構成された実行委員会による自主的運営の元で実施された。チームの強さではなく、地域という括りで参加チームを募ったこの大会は、試合内容での課題も残したが、交流の少ないチーム(1~3部、新規リーグ)間のネットワークを芽生えさせるきっかけともなった。
「第1回大阪地区交流戦」は、当時、関西地区の中で団結力・技術力で神戸エリア・京都エリアの後塵を拝していた大阪エリアのチームを対象に、選手間の交流と大会運営経験の蓄積を目的として実施され、チームの実力に関係なく対戦カードを組み、チーム間の交流を図った。
「第1回早慶ラクロス定期戦」は、協会後援の下、両大学の選手たちによる実行委員会により実施された。
この定期戦は、各大学間で行われるラクロス定期戦の先駆けとして大きな盛り上がりを見せ、今に続いている。
「第1回新検見川リーグ(新検見川杯)」は、クラブチームリーグ戦の中で、設立して4年未満の大学生チームや・高校生チームなどを対象とした部の大会として実施した。その運営は、クラブチーム連盟の各担当に依らず、各チームの代表が週に1回のミーティングを重ね、グラウンドの取得から試合運営まで、自主運営の形式で行った。
「第1回ジュニアリーグ戦(関東短期大学リーグ戦)は、1992年から毎月行われていた短大委員会のミーティングで、短期大ならではの課題を検討しあった結果、短期大および準加盟校・未加盟校のラクロス歴2年未満のプレイヤーを対象とする自主運営大会として実施された。
これらの多くの「第1回大会」が表しているように、各チームがそれぞれ持つ課題を解決するために協議を重ね、お互いに協力し合い、自分たちの手で大会を作るという日本ラクロスの文化が、様々な場面で見られた年となった。
[左:第1回多摩インターカレッジ選手権・決勝戦チケット / 右:早慶戦パンフレット(1994年第2回大会時)]
[左:第3回クラブチームリーグ戦大会結果 / 右:第1回ジュニアリーグパンフレット]
[左右:第1回ラクロスチャリティーコンサート]
大会結果 |
世界大会 | 優勝 | 日本代表の成績 |
第4回IFWLA女子世界大会 | USA | 総合7位 |
国際試合 | 来日チーム(男子) | 来日チーム(女子) |
第5回ラクロス国際親善試合 | 米・P.T.P.S. ALL STARS | - |
第1回日豪チーム交流 | KOALA LACROSSE CLUB | KOALA LACROSSE CLUB |
全国大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第4回ラクロス全日本選手権大会 | 慶應義塾大学 | 関西学院大学 |
地区大会 | 優勝(男子) | 優勝(女子) |
第6回関東学生ラクロスリーグ戦 | 慶應義塾大学 | 東京女子体育大学 |
第2回東海学生ラクロスリーグ戦 | 愛知学院大学 | 南山大学 |
第4回関西学生ラクロスリーグ戦 | 関西学院大学 | 関西学院大学 |
第1回中四国ラクロスリーグ戦 | 山口大学 | 川崎医療福祉大学 |
第2回九州ラクロスリーグ戦 | 第一経済大学 | 西南学院大学 |
第3回クラブチームリーグ戦 (現・クラブチーム東日本リーグ戦) |
東京ラクロスクラブ | WISTERIA |
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