【日本ラクロスの四半世紀・第21回】 2003年・全日本選手権戦国時代の幕開け

2012/07/08

 2003年(平成15年)
1月 協会公認指導者資格制度を開始。一般会員向け講習会に先立ち、過去の日本代表コーチ等を対象とした第1回指導者講習会を開催(19日、大井ふ頭中央海浜公園第2球技場)
6月 第5回ILF19歳以下男子世界大会に参加(6月26日~7月5日、アメリカ・メリーランド、参加9ヶ国)
男子19歳以下世界大会での初勝利をあげ、RedDivisionを1位で通過したものの、プレイインではイングランド、イラコイナショナルズに敗れ総合6位という結果に終わった。
 ※当時の世界大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます)
この大会では、日本から派遣された坂田敏彰審判員が、日本の男子競技審判員として初めて世界大会(年代別)の決勝戦の審判団(ベンチマネージャー)を務めた。
第3回IFWLA19歳以下女子世界大会に参加(6月26日~7月5日、アメリカ・メリーランド、参加7ヶ国)
日本代表はプレイインでウェールズを下し、総合5位となった。
 ※当時の世界大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます)
この大会では、日本から派遣された小出淑子審判員が、日本の女子競技審判員として2人目となる世界大会(年代別)の決勝戦の審判員を務めた。
12月 第14回全日本選手権大会開催(13~21日、決勝戦:東京・江戸川区陸上競技場)
男女とも、創設2年目のクラブチーム(男:DESAFIO、女:Sibylla)が優勝し、WISTERIA・VALENTIAの連覇記録を止めた。
 ※当時の大会特設ページはこちらから (アーカイブページが開きます)
米・スタンフォード大学(女子、NCAA・Div1所属)が来日し、女子日本代表とのテストマッチを実施(20日・江戸川区内、23日・大井ふ頭中央海浜公園第2球技場)
 ※当時のフィールドレポートページはこちらから (アーカイブページが開きます)

 全日本選手権大会、戦国時代へ
昨年まで大会連覇を続けていた男子・VALENTIA、女子・WISTERIAが、ともに決勝戦に進出できない波乱の大会となった。
7連覇を果たしていたWISTERIAは、東日本クラブリーグ戦の決勝リーグでSibylla・MISTRALと勝ち点で並ぶものの得失点差で3位となり、8連覇の夢は潰えた。
一報、4連覇を果たしていたVALENTIAは、全日本選手権の準決勝戦にて慶應義塾大学と対戦。前年の決勝戦で対戦した時と同じく延長戦にもつれこむ熱戦となったが、8-9で敗れた。

準決勝戦男女計4試合の内、3試合が1点差ゲーム、そしてその内の2試合が延長戦にもつれこむ熱戦となった混沌としたこの大会を制したのは、男女とも創設2年目のクラブチーム・DESAFIOとSibyllaであった。
DESAFIOは決勝戦で慶應義塾大学を9-6で下し、SibyllaはMISTRALを8-5で下し、ともに初優勝を飾った。

そして、全日本選手権大会は、この年以降の6年間で男子3チーム・女子5チームが優勝する戦国時代へと突入した。

全国大会男子1全国大会男子2
[左右:初優勝をあげたDESAFIO]

全国大会男子3全国大会男子4
[左右:大会4連覇のVALENTIAを、全日本選手権では慶應義塾大が、クラブ選手権ではDESAFIOが下した]

全国大会女子1全国大会女子2
[左右:初優勝をあげたSibylla]

全国大会女子3全国大会女子4
[左右:女子準決勝戦はともに1点差の接戦となった(MISTRAL 対 日本女子体育大、Sibylla 対 武庫川女子大]


 19歳以下世界大会
男女同時開催となったこの大会では、男女それぞれの日本代表の現状が表れた大会となった。

男子は、RedDivisionを1位で通過したが、プレイインで対戦したBlueDivison(上位ディヴィジョン)のイングランド、イラコイナショナルズには敗れた。そして、シュート本数が参加9ヶ国中1位である一方で、シュート決定率は8位であった。
この年のラクロスマガジンジャパンに、ヘッドコーチは以下の通り記している。
『この課題(BlueDivision各国の競技環境との差)をクリアする手段のひとつは、当然かつ地道ではあるが、常日頃の所属チームでの活動や、強化部および各カテゴリーの代表活動において、「世界で通用するプレイ」を常に意識することだろう』

男子U19世界大会1男子U19世界大会2
男子U19世界大会3男子U19世界大会4
男子U19世界大会5男子U19世界大会6


女子は、予選リーグ・プレイインの両方でウェールズに勝利し、前大会で敗れたイングランド(1-17)、カナダ(5-20)には今回も敗れたもののイングランド戦(8-11)、カナダ戦(8-15)と点差を詰める結果となり、ウェールズとの5位争いから、もう一つ上のクラスでの争いへの仲間入りを果たした形となった。
この年のラクロスマガジンジャパンに、ヘッドコーチは以下の通り記している。
『さらなるアイデアや創造力を加えることにより「速く早いラクロス」を完成させ、「カナダ、イングランドに勝つこと」が本当の意味での我々、'03年女子U19日本代表の成果だと考えている』

女子U19世界大会1女子U19世界大会2
女子U19世界大会3女子U19世界大会4
女子U19世界大会5女子U19世界大会6


この大会では、日本から男女合わせて3名の審判員が派遣され、小出淑子審判員が決勝戦の舞台で審判員を務め、坂田敏彰審判員が決勝戦のベンチマネージャーを務めた。
また、男女同時開催となったこの大会には、日本代表チームスタッフ・広報スタッフとして、コーチ・トレーナー・マネージャー・通訳・広報の計17名が一度に現地活動する大規模なものとなり、日本代表の運営力の成長も示すこととなった。

審判員チームスタッフ
[左:日本から派遣された坂田審判員と厚地審判員/右:選手たちに日本食を作るチームスタッフ]


 大会結果
世界大会 優勝 日本代表の成績
第5回ILF19歳以下男子世界大会 USA 総合6位
第3回IFWLA19歳以下女子世界大会 USA 総合5位
国際試合 来日チーム(男子) 来日チーム(女子)
第15回ラクロス国際親善試合 19歳以下オーストラリア代表
日本代表テストマッチ 米・Stanford University
全国大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第14回ラクロス全日本選手権大会 DESAFIO Sibylla
第5回全日本クラブ選手権大会 DESAFIO Sibylla
第5回全日本ユース選抜選手権 関東ユース選抜 関東ユース選抜
地区大会 優勝(男子) 優勝(女子)
第9回北海道ラクロスリーグ戦 北海道大学 北海道大学
第10回東北ラクロスリーグ戦 東北大学 COUGARS
第16回関東学生ラクロスリーグ戦 慶應義塾大学 日本女子体育大学
第12回東海学生ラクロスリーグ戦 信州大学 南山大学
第14回関西学生ラクロスリーグ戦 関西学院大学 武庫川女子大学
第11回中四国ラクロスリーグ戦 BARBARIAN LIGHTS 岡山大学
第12回九州ラクロスリーグ戦 ラクロスリパブリック 福岡大学
第13回クラブチーム東日本リーグ戦 DESAFIO Sibylla
第10回クラブチーム西日本リーグ戦 HELP JUNK
中高生大会 優勝(女子)
第8回Teen'sCup   サンフラワーズ(神奈川県立外語短期大学付属高等学校)
第8回Teen'sCup関西   (確認中)

『第22回 2004年・ラクロス環境の基盤強化へ』 へ続く

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2012全国大会